歌舞伎俳優・市川九團次さん 小中学生と交流 歌舞伎の歴史や所作を紹介 長崎県五島市

隈取りを施し、市川さん(右端)のアドバイスを受けて見えを切る生徒=五島市立崎山中

 歌舞伎俳優の市川九團次さん(51)が7日、長崎県五島市を訪れ、崎山地区の小中学生に歌舞伎の所作を紹介するなどして交流を深めた。
 市川さんは2014年に現在の市川團十郎さんの門下となり、翌年、四代目市川九團次を襲名。国内外での公演のほか、ワークショップの開催などで歌舞伎の振興に取り組んでいる。料理も好きで、五島の食材を使った調理に挑戦しようと昨年から五島市を訪れている。
 この日は市立崎山中で地元の小中学生約30人とふれあった。江戸初期から続く歌舞伎の歴史や女形の所作を紹介。隈取(くまど)りと呼ばれる独特の化粧を子どもたちに施し、見えの所作をアドバイス。ポーズが決まると歓声や拍手が湧き起こった。最後に市川さんが踊りを披露した。
 早口言葉の練習では「苦手なことでも必死に取り組むと必ずできる」と自らの体験を振り返った。最後に「皆さんは純真な心を持っている。自信を持って」とエール。3年の村堀蒼己さん(14)は「隈取りだけで顔の印象が変わると思わなかった。踊りも迫力を感じた」と話した。
 市川さんは今後、同市で農業法人を設立予定という。

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