「めるろと行く ぶらりアート探訪」スタート 十和田現代美術館(青森県) 館長と県内外の企画展巡る

弘前れんが倉庫美術館で開催中の「大巻伸嗣展」を鑑賞するTAPSのメンバーら

 十和田市現代美術館は今年、青森県内や近隣県の美術館の企画展を鷲田めるろ館長と同館パートナーズ「TAPS(タップス)」と巡るツアーを始めた。鷲田館長が東奥日報で連載中の「鷲田めるろのあおもりアート探訪」の取材を兼ねる形で2日、弘前市の弘前れんが倉庫美術館で開催中の春夏プログラム「大巻伸嗣-地平線のゆくえ」を鑑賞した。今後、2カ月に1回ほどのペースで各地を訪ねる。

 ツアー名は「めるろと行く ぶらりアート探訪」。TAPSは、同館のメンバーシップ・プログラム(会費制会員組織)で、現在会員は60個人・団体。この日は6人が参加した。

 大巻さんはダイナミックで幻想的なインスタレーション(空間芸術)を展開するアーティスト。一行は弘前れんが倉庫美術館の佐々木蓉子アシスタントキュレーターの案内で、暗闇を静かに落ちる光の玉や、風で波打つ布を使った時空間の表現などを鑑賞。大巻さんの作品世界を旅するように巡った。

 参加した十和田市の小笠原洋子さん(73)は「冒頭から引き込まれ、見たことのない表現ばかりで驚いた。ずっと見ていたい魅力があった」と感激した様子。

 鷲田館長は「一つ一つの作品が丁寧に作り込まれていて、時間をかけて鑑賞することでディテールが見えてくるような魅力がある。(ツアーは)一人で見るのでは気づけない視点もあり良かった」と語った。

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