エルニーニョ現象が発生中 秋にかけて続く可能性高い エルニーニョ監視速報

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測 出典=気象庁HP

 気象庁は9日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。それによるとエルニーニョ現象が発生しているとみられ、秋にかけて続く可能性が高い(90%)。 

 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.1℃ で、基準値より高い値となった。太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高く、海洋表層の水温は太平洋赤道域のほぼ全域で平年より高かった。不活発な状態が続いていた太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みになり、中部太平洋赤道域の大気下層の東風は平年並みに弱まった。このような大気と海洋の状況から、エルニーニョ現象が発生しているとみられる。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率 出典=気象庁HP

 大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の中部から東部にかけて海洋表層の暖水をさらに強め、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差が大きくなり、予測期間中、基準値より高い値で推移する可能性が高いと予測している。以上のことから、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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