史上最大の雨量、越谷で記録…「関東・東北豪雨」を超える 24時間で平年の1.8倍降り、今後も要注意

大雨で浸水した市内の様子=3日午前、埼玉県越谷市船渡(越谷市提供)

 熊谷地方気象台によると、埼玉県越谷市の3日午前6時10分までの24時間降水量は260.5ミリで、猛烈な雨が降った。台風18号による記録的な豪雨で、「関東・東北豪雨」と命名された2015年9月10日の24時間雨量238.0ミリを上回り、観測史上最大だった。越谷の6月の平均降水量は144.0ミリで、24時間で平年の1.8倍の雨が降った。

 当時は本州付近に停滞する梅雨前線に向かって、台風2号から暖かく湿った空気が流入したことで、前線の活動が活発化。同気象台は3日正午までの24時間雨量は多い場所で150ミリと見込んでいたが、予想以上の大雨になった。

 気象庁は5月25日、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の発生を伝える「顕著な大雨に関する気象情報」の基準を改定し、最大30分早く発表する運用を開始。関東甲信地方では2日夜から3日午前中にかけて、線状降水帯が発生する可能性も発表されたが、関東甲信では線状降水帯の発生は確認されなかったという。

 同気象台は梅雨の時期に入ったことを強調し、土砂災害をはじめ、低地の浸水や河川の増水、氾濫に警戒が必要と指摘。「備蓄や避難経路の確認が大切で、いざという時には早めの避難行動を取ってほしい」と話していた。

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