「もう2回決壊を経験しているので」被災地に激しい雨…住民“覚悟”も懸命の応急工事で被害なし=静岡

梅雨前線などの影響で、静岡県内各地では6月9日朝にかけて激しい雨が降りました。下田市と南伊豆町では一時、5段階の警戒レベルのうち、上から2番目にあたるレベル4「避難指示」が発令されたほか、松崎町の県道では土砂崩れも起きています。

梅雨前線と低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、県内各地では9日朝にかけて激しい雨が降り、未明から県中部や伊豆半島に大雨警報が出ました。

<大石勝博ディレクター>

「雨粒の音が耳にさわるほど、激しい雨が降っています」

降り始めからの雨量は、天城山で209ミリ、御前崎市で156.5ミリ、東伊豆町稲取で135ミリなどとなりました。下田市と南伊豆町では一時、土砂災害の危険が高まっているとして、5段階の警戒レベルのうち上から2番目にあたるレベル4「避難指示」が発令されましたが、午後6時15分の時点では解除されています。

下田市では、市内全域のおよそ1万500世帯、1万9900人に対して避難指示を出し、避難所を開設。沼津市は24の避難所を開き、実際に避難する人の姿もありました。

<避難所から帰宅する住民>

Q.ずっと起きてらしたんですか?

「気になりまして。初めての避難所でしたので」

<避難所担当の沼津市職員>

「前回は警報が出て、雨が強くなった段階で避難所を開設したが、今回は雨が降る前の段階で、注意報がまだ出ていない段階で、避難所を開設した」

松崎町池代の県道では大雨による土砂崩れが発生し、午前11時から1時間半にわたり通行止めとなりました。土砂の一部を取り除き、現在は片側交互通行の規制が敷かれています。

9日午前1時頃の近くの住民が撮影した磐田市を流れる敷地川の様子です。敷地川はこの1年の間に2度決壊していて、住民は不安な夜を過ごしました。

<山口駿平記者>

「午前11時の敷地川です。昨夜からの雨で川の水は増えていますが、氾濫することはありませんでした」

先週の記録的豪雨で堤防が決壊した敷地川では、8日夜までに堤防の応急工事を終えたこともあり、浸水被害などはありませんでした。磐田市は、8日夕方から豪雨で被害のあった地区53カ所に避難所を開設し、早めの避難を呼びかけました。

<敷地川の近くに住む人>

「後ろの方にある避難所も早めに開設しましたし、自分も『もし(水が)きたら』という心構えはある。もう2回(決壊を)経験していますので覚悟はしています」

<竹川知佳記者>

「午前10時前のJR静岡駅です。大雨による影響が懸念されていましたが、新幹線・在来線ともに通常通り運行しています」

JR東海によりますと心配された大雨の影響はなく、新幹線、在来線ともに県内区間での運休や目立った遅れは出ませんでした。

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