急な悲劇…犯罪の被害者や家族苦痛、平穏を取り戻すための支援条例じつは存在 3市町が同時施行、埼玉で初

犯罪被害者等支援条例施行をPRする2市1町の首長ら。(左から)司会を務めたフレッシュあげおの町田海風さん、畠山市長、小野市長、大島町長、上尾警察署の新井智美署長、中丸葵さん=上尾ショーサンプラザ1階センターコート

 埼玉県上尾市、桶川市、伊奈町の2市1町は、今年4月に同時施行した犯罪被害者等支援条例をPRする記念イベントを、上尾ショーサンプラザで行った。

 同条例は、犯罪の被害に遭った人やその家族が平穏な生活に戻れるよう適切な支援を行うことを目的に制定された。2市1町では、犯罪被害の状況や原因などに応じた心のケアなど継続的な支援や見舞金の支給などの相談窓口を設置している。県内では34自治体が同条例を制定しているが、3自治体の同時施行は初めて。

 イベントでは、上尾市の畠山稔市長、桶川市の小野克典市長、伊奈町の大島清町長があいさつ。それぞれ同条例の意義や今後の取り組みへの決意などを熱く語った。

 その後、伊奈町魅力発見大使の中丸葵さんと自治体の担当者、警察官によってトークミーティングが行われ、「もし被害に遭ったら」との観点から市町、警察の支援体制について話した。さらにさまざまな手続きが一つの窓口で対応できる「彩の国犯罪者ワンストップ支援センター」も紹介された。中丸さんは「この機会に「少しでも多くの方に条例の制定について知ってもらえたらと思う」とまとめた。

 買い物の途中で立ち寄った上尾市内に住む73歳の女性は「条例の存在も知らなかった。こういうイベントでアピールしてもらえるといい」と話していた。

© 株式会社埼玉新聞社