地震の強い揺れをいち早く知らせる緊急地震速報の発表を受けた際、身の安全を確保する人が約3分の1にとどまることが、関東学院大の大友章司准教授(応用心理学)らの研究で分かった。近年の地震を対象とした全国的な調査の結果を分析した。年齢が高い人ほど、速報に反応していない傾向も明らかになった。
研究の対象としたのは、2018年6月の大阪府北部地震から22年6月の石川県能登地方の地震までの最大震度6強~5強を観測した五つの地震。防災科学技術研究所が同年8月に実施した社会調査で、これらの地震で緊急地震速報に接したとした全国の20~80代の男女計491人の回答を分析した。
その結果、速報時に安全と思う場所に移動するなどの行動をした人の割合は35%にとどまった。一方、その場で身構える程度で行動を伴わなかった人が52%を占め、13%が何も反応していなかった。