価格が停滞するか反転するかがわかるようになる?初心者こそチャートを見るべき理由とは

日経平均が1990年7月以来となる、約33年ぶりの高値水準となっています。チャートで表すと、このような値動きになっています。

画像:TradingViewより

投資を始められる方は、ニュースや情報などから銘柄を決めたり、指数に連動する投資信託やETFなどを選ぶことが多いのではないでしょうか? 投資のタイミングを掴む上で、投資初心者の方こそまずはチャートを見ていただきたいと思います。

どんなにいい銘柄を選んだとしても、上がり続ける銘柄はありません。どんな銘柄を選ぶかと同じ位、今どのような値動きになっていて、どのようなタイミングなのか、ということを見る事は大切だといえます。

チャートを見て分析する手法を「テクニカル分析」といいますが、私自身、ニュースや外部環境、決算などの財務分析で銘柄を選んでいましたが、そこにテクニカル分析を加えたことで、利益が大きく変わりました。だからこそ、投資初心者の方にはハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、最初からチャートを見るクセをつけていただきたいと感じています。

今回は重要なチャートの見方の一つである「レジスタンスライン」と「サポートライン」についてお伝えします。「難しそう……」と思う方もいるかもしれませんが、とってもシンプルな話ですし、今回の日経平均の値動きにも関係のある話なので、ぜひ読んでみてください。


レジスタンスラインとサポートラインとは

まずはレジスタンスラインとサポートラインの意義についてお伝えします。

レジスタンスライン

レジスタンスは価格の上昇トレンドにおいて、価格が上昇し続ける前に一時的に停止、または反転する水準を指します。これは市場参加者がその価格水準で売り圧力を強めるため、価格が上昇しにくくなるためです。

レジスタンスラインは、価格が一度以上反発した水準を結んだラインとして描かれることがあります。その名の通り、抵抗になりやすい水準ですね。

サポートライン

サポートは、価格の下降トレンドにおいて、価格が下落し続ける前に一時的に停止または反転する水準を指します。これは市場参加者がその価格水準で買い圧力を強めるため、価格が下落しにくくなるためです。

サポートラインは、価格が一度以上反発した水準を結んだラインとして描かれることがあります。まさにサポートする線ですね。

つまり、価格がレジスタンスラインに接近した際には、価格が一時的に停滞する可能性があり、価格がサポートラインに接近した際には、価格が一時的に反発する可能性があるため、投資家は適切な取引戦略を考えることが重要です。

レジスタンスラインとサポートラインの確認方法

レジスタンスラインとサポートラインを特定するためには、過去の価格データとチャートパターンを分析する必要があります。以下に、一般的な方法を3つ紹介します。

(1)高値と安値の結びつき
過去の価格データを分析し、価格が一度以上反発した水準を見つけます。これらの水準を結ぶことで、レジスタンスラインやサポートラインを特定できます。

(2)トレンドライン
価格の上昇トレンドや下降トレンドを確認し、トレンドに沿って引かれたラインがレジスタンスやサポートとなります。トレンドラインは、価格がそれを越えるか下回るかで意義があります。

(3)移動平均線
移動平均線は、価格の平均値を一定期間で計算し、その平均値をプロットした線です。価格が移動平均線に接近したり、交差したりすることで、レジスタンスやサポートの存在を確認できます。

いきなり全て確認するのは大変と感じるかもしれませんが、まずは(1)の高値と安値の結びつきをチェックするだけでも違うと思います。

レジスタンスラインとサポートラインの活用方法

ここからは、レジスタンスラインやサポートラインを投資へ活用する、4つの方法を解説します。

(1)反転のシグナル
レジスタンスラインやサポートラインが形成されると、価格はしばしば反転する傾向があります。価格がレジスタンスラインに接近すると、市場参加者は売り圧力を増強し、価格が下落する可能性が高まります。逆に、価格がサポートラインに接近すると、市場参加者は買い圧力を増強し、価格が上昇する可能性が高まります。投資家は、これらの反転シグナルを活用して、エントリーやエグジットのタイミングを判断することができます。

(2)レンジ相場の特定
レジスタンスラインとサポートラインは、価格が一定の範囲内で上下に振れる、レンジ相場を形成する要素でもあります。価格がレジスタンスラインに達すると、売り圧力が働き、価格は範囲内に押し戻される傾向があります。同様に、価格がサポートラインに接近すると、買い圧力が働き、価格は範囲内に押し上げられる傾向があります。投資家は、範囲相場でのトレード戦略を構築することができます。

(3)リスク管理
レジスタンスラインとサポートラインは、リスク管理としても機能します。価格がレジスタンスラインに接近した場合、それは価格上昇の限界となる可能性があります。この情報を活用して、投資家は利益を確保するためにポジションを調整したり、ストップロスを設定したりすることができます。同様に、価格がサポートラインに接近した場合、価格下落の限界となる可能性があります。投資家は損失を最小限に抑えるために、適切なリスク管理戦略を立てることができます。

(4)トレンドの強さの確認
レジスタンスラインとサポートラインは、価格のトレンドの強さを確認するための指標でもあります。価格がレジスタンスラインを突破し続ける場合、それは強い上昇トレンドを示しています。逆に、価格がサポートラインを下回り続ける場合、それは強い下降トレンドを示しています。投資家は、トレンドの強さを把握することで、相場の方向性を理解し、適切な取引戦略を立てることができます。

例えば、日経平均の月足チャートにレジスタンスラインとサポートラインを入れてみましょう。

画像:TradingViewより

価格が緑色のレジスタンスラインを超えた後、黄色のサポートラインも機能しているように見えます。

週足

日足

1番上のレジスタンスラインをうわ抜くと、「高値更新」となり、今年の値動きのチャートを表示していたとしたら今年の高値更新となります。レジスタンスライン以外にも大台と呼ばれる、3万円や、3万2,000円といったキリのいい数字も、レジスタンスラインやサポートラインとして意識されやすいのでおさえておきましょう。


レジスタンスラインとサポートラインは、投資初心者にとっても理解しやすい重要な概念です。価格のトレンド変化や将来の値動きを予測するために役立ちます。確認方法を学び、これらのラインが投資への影響をどのようにもたらすかを理解することは、成功する投資家にとって重要なスキルです。

レジスタンスラインとサポートラインを活用して、トレンドの反転や範囲相場を捉え、リスク管理を行いながら、収益を最大化するための取引戦略を構築しましょう。まずは前の高値、安値、大台に線を引くところからスタートしてみてください。

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