コナー・デイリーがシーズン中盤にECRから離脱。次戦からインディ500ウイナーのハンター-レイが参戦

 NTTインディカー・シリーズに参戦するエド・カーペンター・レーシング(ECR)は、6月7日にチームのドライバーであるコナー・デイリーとの契約を解消したと発表。

次戦ロードアメリカから2012年インディカー・シリーズチャンピオンで2014年の『インディ500』優勝者であるライアン・ハンター-レイが20号車をドライブすることを8日に明らかにした。

 インディアナ州ノーブルズビル出身で31歳のデイリーは、2020年と2021年にECRからスポット参戦をし、2022年にはシーズン全17戦に出場。2023年シーズンも引き続きECRから参戦し、前半7レースを終えた時点でのシリーズランキングは20位となっていた。

 チームオーナーのエド・カーペンターは、「これはチームオーナーとして私が下した最も難しい決断だった。私はコナーを尊敬しており、彼の存在がインディカーとファンにとって何を意味するかを知っているからだ」と語る。

「しかし今の我々は、オフシーズンに技術的な変更や投資を行ってきたにもかかわらず、期待したパフォーマンスを発揮できていない」

「この現状を打破するためには、必要なことは何でもする。それがチームメカやパートナー、サポーターに対する私の義務だ。私たちはコナーの今後の成功を心から祈っているし、彼が次にどこへ行っても応援するよ」

 デイリーがECRで記録したベストリザルトは、2022年5月にインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催されたGMRグランプリの5位。同年の『インディ500』では、決勝で7周をリードし、6位フィニッシュを果たした。

 デイリーはチームやファンに向けて、「僕たちは、お互いの合意のうえで異なる道を歩むことを選んだが、過去3シーズン半の間にマシンをドライブさせてくれたECRに感謝したい」

「そして、過去から現在、未来に至るまで私をサポートしてくれたすべての人々に感謝している。次の挑戦が楽しみだよ」とコメントしている。

NTTインディカー・シリーズ第7戦デトロイトGP コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)

 シーズン中盤にしてチームを離れることになったデイリーに代わって、次戦ロード・アメリカよりECRの20号車をドライブするのは、『インディ500』の優勝経験を持つライアン・ハンター-レイだ。

 ハンター-レイは、「エドから電話をもらったときは驚いた。過去数年間の努力がチームの向上につながっていないということに、自分がどれほどイライラしているのかを説明し、僕に助けを求めてきた」とチーム加入の経緯について振り返る。

「エドとはとても親しい友人で、これまでの付き合いも長い。過去にこのチームと仕事をしたことがあるし、彼らは高い可能性と才能を持っている集団だよ」

 今年で43歳を迎えるハンター-レイはシーズン途中からの参戦について、「確実に厳しい挑戦になるだろう。インディカーを、世界で最も競争が激しいシリーズであると信じている。テストもせずにいきなりマシンに乗るというのは、厳しい状況だ」と語る。

 しかし、2012年から2020年までの9シーズンをフル参戦していたハンター-レイは、「自分の実力に自信を持っている。ECRの才能あるメンバーと協力することで進歩できると信じているし、チームの目標を達成するために全力を尽くすよ」と来たるシリーズ復帰に向けて意気込む。

 チームオーナーのエドは、「ライアンをチームに迎えることができて興奮している。我々は競争力を向上させる必要があり、そのためには豊富な経験と成功、そしてチームリーダーとしての素質を持つライアンのようなドライバーの新鮮な視点が必要だ。彼の経験と能力が、ECRの財産となると確信しているよ」とハンター-レイに大きな期待を寄せる。

 シリーズチャンピオンと『インディ500』の優勝を経験している大ベテランのハンター-レイが、ECRでどのような活躍をみせるのか、要注目だ。

第107回インディアナポリス500マイルレース ライアン・ハンターレイ(ドレイヤー&レインボールド)
第107回インディアナポリス500マイルレース ライアン・ハンターレイ(ドレイヤー&レインボールド)

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