ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』空間オーディオで配信開始

ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』が、ジャイルズ・マーティンによるドルビーアトモス(空間オーディオ)ミックスバージョンとして配信中だ。

1966年5月16日にリリースされた本アルバムには、「素敵じゃないか」「スループ・ジョン・B」「神のみぞ知る」「駄目な僕」など、数々の有名な楽曲が収録されている。オリジナル版がリリースされてから約60年が経ち、これまでに『MOJO』誌の「The Greatest Albums of All Time」ランキングで1位、『ローリング・ストーン』誌の「歴代最高のアルバム500選」で2位に選出されている。

◎ジャイルズ・マーティン コメント
ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』は、ポピュラー音楽のあり方を変えた革新的で象徴的なアルバムだ。このアルバムに影響を受けたザ・ビートルズが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を作り、今度は『サージェント・ペパーズ~』に影響を受けたピンク・フロイドが『狂気』(The Dark Side of the Moon)を作った。ブライアン・ウィルソンという、アイデアやテクスチャーへの果てしない情熱を持った本物の天才が作ったからこそ、こんなに魅力的なレコードができたんだ。『ペット・サウンズ』をドルビーアトモスに移行するということは、そうした世界に完全に没入できる、その世界に包まれることができるということであり、これまでのレコードでは聞こえなかった楽器の音が聞こえるようになる、その音がその空間にあることを確認できるようになる、ということだ。古いビニール盤レコードを手にして、まるで『不思議の国のアリス』みたいに、ゆっくり穴に落ちていくような、私はそういうイメージが好きだったりする。それこそ没入型オーディオでやるべきことだ。自分の大好きなレコードに文字通り囲まれる。『ペット・サウンズ』はこれにうってつけだ。このアルバムは色彩、テクスチャー、イマジネーションにあふれていて、そのイマジネーションが、ずっともっと広がりのある空間領域で実現される。ビーチ・ボーイズからこのアルバムの仕事を依頼されたことは光栄この上なかったし、史上もっとも象徴的なアルバムのひとつをミックスできる機会が得られるなんて、本当に驚きでもあり胸がときめいた。

◎リリース情報
アルバム『ペット・サウンズ』
2023/6/5 DIGITAL RELEASE

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