こども食堂バス 「2代目」でゴー 初代より小さめ 狭い所もOK

機関車風の外観の2代目こども食堂バス。まだ改造途中で6月中には車検を取る予定
車内の簡易テーブル席でくつろぐ親子。後部に食堂スペースがあり、台所も設置する

 青森県十和田市の市民団体「十和田こども食堂実行委員会」(水尻和幸代表)が、エンジン故障のため廃車となった食堂バス「奥入瀬ひょうたんランプ号」の2代目を導入した。車体は小回りが利くように初代より二回りほど小さめにし、青色を基調とした機関車風の外観。内部などの改造を進め6月中には車検を取り、中断していた県内全市町村巡りを再開する予定だ。

 実行委は経済的に困っているひとり親家庭の子どもに無料で食事を提供しようと、2019年1月に発足した。クラウドファンディングで募った資金で中古の大型バスを購入・改造し、20年5月から食堂バスとして活用。全長約12メートルの巨体は実行委や活動を支援する企業などの熱意のシンボルだったが、今年2月、県内28市町村目の階上町に向かう途中で故障した。

 2代目ランプ号は、水尻さん(46)が自己資金で4月に購入した。関東方面で園児の送迎バスとして使われていたとみられ、全長7.3メートル、幅2.2メートル、高さ約3メートル。初代のシートなどを再利用して車内の後ろ側半分を6人分の食堂スペースに改造。停車時には前側の乗車スペースでも簡易テーブルを使い、計10人が一度に利用できる。

 3日に同市の高齢者施設駐車場で開いた子ども食堂でお披露目され、七戸町から長男と訪れた髙谷由香さん(41)は「子ども向けで楽しい感じ。こういうのが街中を走っているだけでも何だろうと目を引いていいと思う」と話した。

 水尻さんは「中止になった階上町から県内の残りの13市町村を回りたい。道路や駐車場が狭い所でも入れるので、児童養護施設なども回りたい」と述べた。車のナンバーは、人気アニメにあやかって「999」にする。

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