7月オープン予定の宿泊施設「ocomori」にサウナ誕生 高温ストーブ、蒸気が体包みやすく大自然で爽快

町産木材で組み立てた「おこもりサウナ」=5日、横瀬町横瀬(町提供)

 埼玉県横瀬町横瀬に7月にオープン予定の宿泊施設「ocomori(おこもり)」に、地元木材を使ったサウナが設置された。森林資源の循環利用を活性化させる官民連携の取り組みで、プロジェクト賛同者が最新のデジタル技術を使い、スギやヒノキの香り漂う癒やし空間を完成させた。「おこもり」開業と同時に一般利用が始まる。

 今回のサウナ製作は、ITサービスを提供するTIS(東京都新宿区)が、町の官民連携プロジェクト「よこらぼ」に提案し、3月に始まった。地域に根差したクリエイターが設計を行い、森林活用に関心のある地域内外の協力者約20人でサウナを組み立てた。

 木材は、ものづくり施設「たてラボ」(同町横瀬)に設置している、最先端の木材加工機材「ShopBot(ショップボット)」を活用。木材を3次元に加工し、切り出したパーツをプラモデルのように組み立て、3日ほどでサウナの建物が完成した。

 室内の収容人数は最大5人で、80~100度の電気式ストーブを設備。サウナストーンに水をかけると蒸気が体を包み込むように、整流構造を工夫した。壁は72ミリ厚の木で構成し、断熱材は不使用。

 記者発表会で、富田能成町長は「町の林業振興は、担い手や法的な課題などが山積し、小さな町単独では動きづらいのが現状。今回のサウナ作りをきっかけに、町の森林資源を有効活用できる仕組みづくりを、官民連携で進めていきたい」と話した。

 7月開業予定の「おこもり」は、町内の2階建て空き家を改装した、1棟貸しのテレワーク・宿泊施設。今回製作した「おこもりサウナ」は、宿泊や日帰り客が利用できる予定。宿泊料金は1泊5万円程度。

 「おこもり」施設に関する問い合わせは、さいたま市のコミュニティコム(電話048.729.5197)へ。

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