熱中、サイコロアート 酒田の遠田さんが元大工の経験や技術注入

サイコロを題材にした木工アートに取り組む遠田一光さん=酒田市

 酒田市吉田の農業遠田一光さん(77)が仕事の合間に制作しているサイコロを題材にした木工アートが地域で注目を集めている。社寺風の台座にいくつもの木製サイコロを飾り付け、元大工だった経験と技術が詰まった作品となっている。

 30年以上大工だった遠田さん。社寺建築のモトタテ(酒田市)を退職後、3年ほど前から農業の仕事が落ち着く冬期間を中心に、自宅の倉庫で木工に取り組んできた。始めは升やキッチン用具などを作っていたが、ある日、店の売り場に並ぶサイコロを見た際に「木製のサイコロは珍しいのではないか」と考え、制作を始めた。

 ヒノキの材木を加工した台座は、大きいもので高さ約1.5メートル。大小さまざまなサイコロを飾り、上部に社寺の造りの屋根を取り付けた。サイコロの目は彫刻刀などで彫ったり、シールを貼ったりした。これまで九つの作品を完成させ、さい銭箱や神棚などを飾り付けたものもある。

 1作品当たりの制作期間はおよそ3カ月といい、遠田さんは「他のことを忘れて没頭してしまう。自分のイメージ通りに仕上げるのが楽しい」と話す。今後、自宅敷地内に作品の保管庫を作り、展示スペースも設けるという。

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