「今のメンバーがパリ五輪に行くことはない」1年後に迫るパリ五輪へ、フランスで揉まれた鈴木唯人が大事にすること「結果に貪欲に」

[写真:©︎JFA/PR]

U-22日本代表のMF鈴木唯人(ストラスブール)が、メディア取材に応じ、今季の自身のプレーやパリ・オリンピックへの想いを語った。

パリ・オリンピック世代のU-22日本代表は、アジア1次予選に向けて準備中。6月はヨーロッパ遠征を行い、イングランド、オランダと対戦する。

イングランド戦は相手の要求により完全非公開で行われることとなるが、U-21欧州選手権に臨むチームとあって、非常にレベルの高い選手が揃っている。

鈴木は1月に清水エスパルスからストラスブールへとレンタル移籍し、リーグ・アンに挑戦。すぐにベンチ入りは果たすものの、出番はなかなか訪れず。それでも4月に入りデビューすると、いきなりゴール。その後、2試合に出場し、1年目は3試合の出場に終わった。

シーズンも終了し、今回の活動に参加した鈴木。自身のコンディションについては「良い状態で臨める準備はいつでもできていますし、今回新しい選手が何人か入ってきた中で、良いコミュニケーションが取れてやれていると思います」とコメント。強豪との2試合に向けては「今回は強豪国2カ国とやれるので自分達の力を示すことと、やれるんだという感触を掴むことが大事だと思っています」と、自信につながる活動にしたいとした。

出番こそ少なかったが、フランスでは多くを学んだという鈴木。「どの部分でも間違いなく成長していると思いますし、側から見ていれば試合に出ていないですが、自分では色々な部分で成長しているというか、少しずつ変わってきているなというのは感じているので、今回の2試合や今後の試合でパフォーマンスとして出せればと思っています」とコメント。具体的なところは内容だが、自身でも手応えを感じる半年間となっているようだ。

そんな中、パリ・オリンピックまではおよそ1年。「もちろん、この合宿でアピールすることは大事だと思いますが、チームでのパフォーマンス、活躍が大前提にある中で、この活動に呼ばれると思います」と、自チームでのパフォーマンスが重要だとコメント。「この1年間の取り組みでどの選手にもチャンスがあると思うので、チームとしてのパフォーマンスが大事になると思います。より1日1日にフォーカスすることが大事だと思います」と、日頃から意識してやることが大事だとした。

そのパリ・オリンピックについては「単純に自分の力を示せる良い機会だと思いますし、これだけできるということを示す場所としてはもってこいなので、良い準備と、今後1年間良い活躍ができればと思います」と、アピールのためにも出場したいと意気込んだ。

ただ、鈴木も余裕があるわけではない。「正直今のメンバーがパリ五輪に行くことはないと思うので、チームとしてイングランドやオランダに対して勝ちに行くこともそうですが、個人個人がこういうタイミングで良い感触を持って、今後の1年につなげていくことが大事」と、常連組ながらも、しっかりとチームの力になれることを示さなければいけないとコメント。「周りの選手をどうこうするということはなく、A代表を目指している上でやっている」と、大岩剛監督も就任時から語る、「A代表経由パリ五輪行き」ということを目標にやっているとした。

改めてフォーカスしていきたいことについては「より結果、より点を取ること、失点をしないことを大前提」とし、「良いサッカーをしようとか、良いゲームをしようというのが日本のサッカーに見えてしまう」と問題点を指摘。「結論、点を取って、点を取られなければ良いので、そこに貪欲になっていくことを学んでいるので、そこを発信していきたいと思います」と、結果を貪欲に求めることを出していきたいとした。

その中で、大ベテランでもあり日本代表の経験豊富なGK川島永嗣との関係についても言及。「永嗣さんの取り組みを見ていると、自分も学ばせてもらうことが多かったですし、どんな状況でもやり続けることが大事ですし、そこに尽きるなと感じました」と語り、「今回も今回で、イングランド戦は非公開ですが、オランダ戦は色々な人が見てくれると思うので、そういうところをどれだけ意識して臨めるか。しっかりとチャンスを掴みたいと思います」と、目に見える結果を出していくことが大事だと意気込んだ。

イングランド戦は10日の夜。どのような結果が出るのか、楽しみだ。

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