17歳の小田、夢舞台で涙の頂点 車いすテニス、大一番で成長実証

テニスの全仏オープン車いすの部男子シングルスで優勝し、ガッツポーズの小田凱人=10日、パリ(ゲッティ=共同)

 赤く輝く夢舞台で、ついに頂点を極めた。最後はヒューエットのリターンがアウトになり、17歳の小田はラケットを放り投げ、そして号泣した。「ここに来ていただいた方のパワーで勝てた」と実感を込めた。

 今大会で最大のライバルだったヒューエットには3連敗中だった。「負けが続くと(相手の)ウイナー(決定打)が怖くて自然と打てなくなる」と萎縮したこともあったものの、この日は攻めの姿勢が前面に出た。

 第1セットの第4ゲームは立ち上がりに2ポイント連取で勢いに乗り、ブレーク。このセット、一気に押し切った。

 第2セットはリードを追い付かれ、4―4で迎えた第9ゲーム。ブレークポイントを握ったラリーでバックハンドのショットを決める。観客をあおって自らを鼓舞すると、直後のゲームで決着させた。

 1月の全豪オープンに続く四大大会の決勝。「めちゃくちゃ楽しみ」との言葉通りに大一番で成長を実証した。

車いすの部男子シングルスで優勝し、感極まる小田凱人=パリ(共同)

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