ヴェルスパ大分 大分ダービーの勝利をリーグ戦の起爆剤に 【大分県】

過去3度の「大分ダービー」で初めて白星をあげたヴェルスパ大分。第103回天皇杯全日本選手権の2回戦で大分トリニータに1-0で勝利した。山橋貴史監督は「格上相手にリスペクトをし過ぎず、自分たちのボールを奪いにいくサッカーをぶつけた。大きな自信をつかんだ」と振り返った。

リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えた相手に対し、ヴェルスパは「通常通り」に練習からハイパフォーマンスを見せる選手が先発に名を並べた。その中には、前回(2014年天皇杯)対戦したときにピッチに立ったGK姫野昂志、FW中村真人の名前があった。「前回の対戦では(トリニータは)遠い存在だったが、今回はどれだけ自分たちのスタイルが通用するか試したかった」と強い思いを持って試合に臨んだ。

天皇杯3回戦進出を決めたヴェルスパ大分

試合は序盤から果敢にサイド攻撃を仕掛けたヴェルスパが優勢に試合を進め、6分にセットプレーからMF山崎一帆のクロスを中村が合わせて先制する。「クロスの上がったタイミングがよく、ドンピシャだった」と中村の得意のヘディングでネットに突き刺した。先制後は守りに入り主導権を握られる時間が続いたが、無失点で前半を終える。

後半はリセットし、「もう一度、前からボールを奪いにいく姿勢を確認した」(山橋監督)。今季はリードした展開になると逃げ切りを図り、最終ラインを増やして守備を固めることもあったが、この試合は追加点を狙った。さらに「攻撃的な守備」を90分間切らさずに遂行し、勝利を呼び込んだ。

ここまでのリーグ戦では4勝2分3敗で7位。いまひとつ波に乗れていないヴェルスパだが、大分ダービーで得た自信を起爆剤としたい。リーグ戦では無得点の中村は「吹っ切れた。これからは得点を量産したい」と復調への手応えを口にした。

前線で起点となり勝利に貢献した中村真人

(柚野真也)

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