猫が居る家に『アロマオイル』は絶対NG?安全に使用するための方法3つ

アロマオイルが猫には危険な理由

猫にアロマオイルが危険である理由は、「肉食動物」という体質に問題があります。

猫は体内に植物を消化分解できる酵素がありません。よって、植物由来の成分やアロマにふくまれるフェノール類やアルコール成分に反応してしまうのです。

アロマテラピーに使うのは、植物から抽出した100%天然のエッセンシャルオイル(精油)と、それを希釈したアロマオイルがありますが、比較的濃度の低いエッセンシャルオイルであっても猫にとっては危険です。

実際にアメリカの研究では、アロマの一種である「ティーツリー」で中毒症状が起きることが実証されています。重症の際は命に危険がおよぶほどです。

全てのアロマオイルが猫に危険というわけではありませんが、危険な種類と指定されている以外のアロマオイルが必ずしも安全、という意味ではありません。安全という保証はないので、猫のいる家では、基本的にアロマオイルを使わないのが鉄則です。

経皮吸収や呼吸による吸引、飲食による摂取など、猫の体内への入り方や危険度数はそれぞれ異なります。しかし、基本的には、猫と一緒に暮らしているなら、アロマは使用しないのがベストです。

それでもどうしても…という人のために、今回打開策を調査しました。猫がいる暮らしでも安全にアロマオイルを使用できるヒントを解説します。

1.ハイドロゾール(芳香蒸留水)を使用する

「ハイドロゾール」と聞くと、ちょっと怖そうな言葉の響きですよね…。しかし、この「ハイドロゾール」とは、精油を蒸留するときに残った芳香水のこと。精油の成分は約0.1%しかふくまれていない水分のことです。

よって、「ハイドロゾール(芳香蒸留水)」とは、植物由来の成分としてはかなり薄く、ほぼ水に近い状態のものです。よく「フローラルウォーター」とか「オレンジウォーター」という商品名で売られています。これらのハイドロゾールは、精油より濃度の低いアロマオイルよりも、安全性は高くなります。

※微量でも精油の成分が含まれているのは確かなので、安全性の保証はありません。

なお、「ハイドロゾール(芳香蒸留水)」をポットで炊いても香りはしません。猫に直接ふりかからない場所で、スプレーで使うと良いでしょう。

2.寝室でのみアロマを使う

そもそも、猫がいる部屋でアロマオイルを焚くのは危険です。

しかし、飼い主さんの精神を安定させるためにどうしても必要な場合は、寝室だけアロマの空間にしてみるのはいかがでしょうか。

ただし、密室状態とはいえ、ドアの隙間から香りが出てきてしまう危険性もあります。そのためたとえば、就寝時は猫がリビングにいることを確認したうえで(水やトイレ、エサも完備)、リビングのドアを閉めておくのが安心です。

自宅の間取りとして可能であれば、アロマオイルは必ず2階の寝室で使用し、猫がいつもいるリビングのある1階では絶対に使用しない、というように、フロアで分けられればより安心です。もちろんアロマを使った翌日は、寝室の窓を開けて、よく換気をしましょう。

3.アロマディフューザーを使用する

アロマポットで精油を焚くよりも、アロマディフューザーを使う方が濃度も量も軽減されます。

アロマディフューザーとは、加湿器のようなもので、白っぽい蒸気がモワモワ出てくる機会です。その水蒸気となる水のタンクに、アロマオイルを1~3滴垂らすという使用方法です。

ディフューザーから出た蒸気が広がるので、心配になる人も多いかもしれませんが、実際には数滴のオイルが部屋中に拡散されるので、アロマオイルの使用料としてはかなり少ないのです。

もちろんアロマディフューザーを使うときにも、「寝室限定」とか「お風呂限定」などの限られた空間で使うのが安心ですよ。

まとめ

すべてのアロマオイルが猫に危険という結果が出ているわけではありません。なかには、猫がアロマオイルを舐めたり飲んだり、直接触れたりしなければ大丈夫という意見もあるほどです。

しかし、100%安全という保証はありません。もしかしたら現時点で大丈夫なだけで、5年後に問題が起こらないとは限りませんからね。

今回ご紹介した方法は、完全に安全を保証するものではありません。また、ひとつの方法として、自宅でアロマオイルを使用しながら、定期的に動物病院を受診して、愛猫の体調の影響を確認しながら使用について検討する人もいるようですが、これについては賛否両論です。

動物病院の検査といっても、数値や画像に出てくるような大きな変化以外は検出できませんし、そもそもそういった変化が起きてからでは手遅れになることもあります。

アロマオイルには、人間の赤ちゃんや幼児にも使用を控えるべきというような説明書きがあります。愛猫と暮らしている以上、猫をわが子と同じように思い、自分の心身を労りつつ、猫ファーストを心がけたいものですね。

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