【台湾】世界のファウンドリー売上高、1Qも減少[IT]

台湾の市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)が12日発表した統計によると、2023年第1四半期(1~3月)の世界のファウンドリー(半導体の受託製造)上位10社の売上高は前四半期比18.6%減の273億300万米ドル(約3兆8,078億円)だった。減少は2四半期連続。企業別売上高では、台湾積体電路製造(TSMC)が首位を維持した。

TSMCの売上高は前四半期比16.2%減の167億3,500万米ドルだった。ノートパソコンやスマートフォンといった主要応用製品の需要の弱含みを受け、4~7ナノメートル(ナノは10億分の1)製造プロセスの稼働率が低下した。市場シェアは60.1%で、前四半期から1.6ポイント拡大した。集邦科技は第2四半期(4~6月)は、短期的な緊急受注による恩恵を受け、前四半期比での減収幅は第1四半期よりも縮小するとの予測を示した。ただ稼働率は引き続き低迷するとみている。

TSMC以外の台湾企業は、聯華電子(UMC)が17.6%減の17億8,400万米ドルで4位。中でも22/28ナノ、40ナノの売上高がそれぞれ2割以上減った。

力晶積成電子製造(PSMC)は18.7%減の3億3,200万米ドルで8位、TSMC傘下の世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)は11.8%減の2億6,900万米ドルで9位だった。

集邦科技は第2四半期について、ファウンドリー上位10社の生産額は引き続き減少するものの、前四半期比の減少幅は第1四半期よりも縮小するとの見方を示した。下半期(7~12月)の繁忙期に備え、サプライチェーン(供給網)の多くの企業が在庫準備を開始するとみられるが、市況の反転後も、在庫は積み上がったままと考えられ、さらに現在の在庫消化の速度も遅いことから、多くの顧客は依然として調達を慎重視していると指摘した。

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