スクラップ保管規制へ 茨城県 条例案を検討、罰則も

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県は12日、積み上げたスクラップの崩落や騒音などのトラブルを防ごうと、再生資源物の屋外保管場の規制条例を制定する方針を明らかにした。スクラップ置き場の設置を許可制とするほか、違反者への罰則規定も検討し、今後、県議会への提案を目指す。

県議会一般質問で、沼田和利氏(いばらき自民)の質問に林利家県民生活環境部長が答えた。

金属スクラップなど再生資源物の保管については、現状では県が崩落の可能性など危険性を認識しても任意でしか指導できない。

既に千葉市や茨城県境町などは屋外保管場の設置を許可制にする条例を制定し、立ち入り指導や許可取り消しといった処分を可能にしている。都道府県ではまだ条例化の例はないが、千葉県が準備を進めている。林部長は「悪質な事業者が規制の緩い地域に移転する動きも想定される」として、茨城県でも条例化を目指す考えを示した。

千葉市では、住宅などから100メートル以上離れている▽300メートル以内の住民に説明会を実施▽山積みの高さは5メートル以内-などと規制。違反には刑事罰(1年以下の懲役)の規定を設けている。

県廃棄物規制課によると、県内では昨年度、スクラップが崩落する恐れがあるなどとして、5件について指導した。いずれも「有害使用済み機器」を届け出ず保管した疑いで立ち入った際の任意指導にとどまった。同課の担当者は「適切な保管ができるよう、有効な条例の制定を目指したい」としている。

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