県高校総体 バレーボール男子 好敵手を倒し連覇を達成した大分南 【大分県】

第71回大分県高校総体バレーボール競技

6月5日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ

男子決勝リーグ 大分南 2(25-21、25-21)0 大分工業

決勝リーグ最終戦は2勝同士の大分南と大分工業の対戦となった。勝てば優勝という緊迫した空気の中で白熱した戦いが繰り広げられ、終始ゲームを優勢に進めた大分南が、セットカウント2-0で2連覇を果たした。

試合は第1セットからエース同士の打ち合ってのシーソーゲームとなったが、大分南は一貫して落ち着いていた。第1セットを先取した後も、第2セットでリードを広げた後も浮つきは見られず、冷静な判断で得点を重ねた。「リードしてもフラットな気持ちで攻め続けようと声を掛けた」とキャプテンの嵯峨慎人(3年)。

最後の総体に懸ける3年生の気持ちの強さも前面に出た。大分工業に始終マークされた2年生エースの水田凰雅をカバーするように、1年生の頃からチームの中核として活躍してきた嵯峨と前畠怜和が躍動する。要所で鋭いスパイクを決め、チームを活気づけた。リベロやセッターの動きも良く、一人一人が与えられた役割を果たす、「全員バレー」で勝利をつかんだ。

チームを引っ張る嵯峨慎人

優勝を決めた瞬間、崩れ落ち、雄叫びを上げた選手たち。それでもその喜びに浸ることはない。「県予選は通過点。目標は全国ベスト8。大分県代表として恥ずかしくないプレーをするために、技術面はもちろん人間力も鍛える必要がある。キャプテンとして率先して行動し、手本を見せたい」(嵯峨)、「春高予選からずっと(大分工業に)負け続けてようやく勝てた。今の気持ちは『うれしい』のさらに上で、表現できない。全国では3年生の思いが強い方が勝つと思うので、気持ちの面でも絶対に負けないようにしたい」(前畠)、「今までで一番いい試合ができたが、今のままでは全国で通用しない。もっと高さを出して、レシーブ力など守備面も鍛えたい」(水田)と、それぞれが次の全国を見据え、飛躍を誓った。

そんな選手たちを見守る柿原茂徳監督は守備面の課題を挙げながらも、3年生の健闘や2年生の成長をたたえ、「ようやく階段を上がった。メンタルトレーナーを入れ、一番の課題であった精神面を強化してきた成果が出た」と笑顔を見せた。

心を鍛え、気持ちの強さが前面に出たことでワンランク上のチームとなった大分南。今年のチームは例年に比べて高さもあり、選手たちが目標に掲げる全国ベスト8への期待が高まっている。

2年連続3回目の優勝となった大分南

(甲斐理恵)

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