署名実態調査 百条委を設置 茨城・かすみがうら市議会

かすみがうら市役所千代田庁舎=同市上土田

茨城県かすみがうら市議会(定数16)は12日、久松公生市議(無所属)が関わったとされる市有地の利用を巡る要望書の署名の実態について調査するため、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委)を設置した。同委設置を求めた矢口龍人氏(無所属)の動議を賛成8、反対6の賛成多数で可決した。矢口氏が同委員長を務める。

問題となったのは、JR神立駅近くの市有地について当初計画通り複合交流拠点施設の整備事業を進めるよう求めた、市民からの要望書の約5200人分の署名。5月23日から2回にわたり市に提出された。

12日の市議会定例会で、この署名に関し佐藤文雄氏(共産)が緊急質問。宮嶋謙市長は、「勝手に署名された」「署名した覚えがない」といった電話を市が多数受けたとした上で、2千人以上の署名が「本人の手によらないものだった」と、偽造された疑惑があると説明した。市長はさらに、署名を久松市議から求められて断ったのに名前が入っていた市民がいると指摘した。

取材に対し久松市議は「市民の要望書であって、私が集めたわけではない。署名に賛同し、何人かに説明はした。偽造に関しては(市議会で)一方的に言われたことで、全く分からない」と話した。

市有地は計画変更を重ねた末、市が5月に病院誘致に活用すると発表。久松氏は6月9日の市議会一般質問で、署名に触れながら執行部に見解を聞いていた。

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