40歳でDFにコンバート…WEリーグMVPの安藤梢、進化を続けるなでしこの鑑は「夢や希望を与えられる存在に」

なでしこジャパンの盟友、澤穂希さん(左)がプレゼンターを務めた[写真:©WE LEAGUE]

今季のWEリーグMVPに輝いた元なでしこジャパンの安藤梢(三菱重工浦和レッズレディース)が喜びの声を残した。

2022-23 WEリーグアウォーズが12日に東京都内で行われ、各賞受賞者が決定。栄えある最優秀選手賞(MVP)には安藤が選出された。

最終ラインに負傷者の相次いだチーム事情の中、安藤は第5節に公式戦初というセンターバックで出場。浦和にシーズン初の完封勝ちをもたらした。

以降も最終ラインでの起用が続くと、20歳のGK福田史織、19歳のDF石川璃音ら若手を支え、WEリーグ初優勝に貢献。FW登録ながらも、DFとして今季のベストイレブン、MVPに選出された。

「浦和レッズレディースが優勝することに全てを賭けてやってきた」中で、想定外のコンバートも「これはチャレンジ。自分に掛かっているプレッシャーには怖さもあったけど、楽しみながらやっていました」とポジティブな想いで臨んだ。

最終ラインから最前線まであらゆるポジションでチームを支え、全20試合に出場し5ゴールをマーク。MVPに推す声はファンなどからも聞こえていたが、受賞を聞かされた瞬間は「腰を抜かしました。びっくりし過ぎると人ってこうなるんだっていうのがよく分かりました」と、驚きだったようだ。

現在は筑波大学の助教という二足の草鞋を履く安藤は、気持ちの面だけではなく、トレーニングの面でも早期から工夫をしてきた。

「20歳ぐらいから世界を目指して科学的なトレーニングを取り入れてきたので、それが1つここまでやれている強みかなと。浦和レッズレディースは代表選手も多いですし、日本を代表するようなポテンシャルのある若い選手たちもたくさんいるので、日頃からそういう選手たちと切磋琢磨できることも刺激になっています」

「明日(13日)も授業があって、そこで自分が取り組んでいることやWEリーグの話をするんですけど、(そういう場で)学生がいろんな質問してくれるので、授業でのやり取りも、もしかしたらサッカーの現場でも若い選手とのやり取りに生かされているのかなと。教員として、選手としての活動で、相乗効果が生まれているような感じが成長できている要因かなと思います」

「こうして自分が40歳になって、(活躍を)多くの方が喜んでくれたり、驚いてくれた。女子サッカー選手が年齢に関係なく挑戦し続ける姿を見せることで、多くの女性たちに夢や希望を与えられる存在になっていきたいなと思っています」

「年齢は数字でしかない」との言葉通り、進化を続ける安藤の姿は、多くのサッカーファンを魅了してやまない。

© 株式会社シーソーゲーム