Skygauge Robotics、物理的点検するドローン「Skygauge」発表。カメラ検査より正確なドローン点検ができる

同社は最近、カナダ運輸省との100万ドルの契約を完了し、カナダ、米国、欧州、中東、アジアで同社のドローンを配備し、広範囲に展開できるようにした。

Skygauge Roboticsは、独自に設計したSkygauge Inspection Droneでドローンの使用方法を変革することを使命としているという。このドローンは物理的な作業を行うことを目的に作られており、最初のユースケースは産業用超音波検査だ。

医者が超音波を使って人の健康状態をチェックするのと同じように、検査員は工業用超音波を使って構造物の健康状態をチェックする。エネルギー、精製、海運などの業界では、重要なインフラが故障しないように、定期的な超音波検査が必要だ。

Skygauge Roboticsの最高商業責任者であるNikita Iliushkin氏は、次のようにコメントしている。

Iliushkin氏:Skygaugeを使用すれば、検査時にクレーンや足場が不要になるため、企業は数百万ドルを節約できます。検査員は検査を10倍早く完了し、50~90%のコスト削減を実現するとともに、作業員の安全を確保することでリスクを排除しています。

Skygauge Roboticsは、これらの検査を行うために、新しいデザインのドローンを発明した。同社sのCEOであるMaksym Korol氏は次のようにコメントしている。

Korol氏:産業用超音波では、ドローンがインフラと接触する必要があります。今日のドローンは主に見るものですが、私たちは世界と対話するドローンを作りました。

Skygauge Roboticsは最近、カナダ運輸省との100万ドルの契約を完了した。他の多くのアーリーアダプターと協力して、大量生産に向けてシステムの基本機能を構築しているという。2023年6月5日現在、Skygauge Inspection Droneは、同社のウェブサイトで販売されている。

Skygauge検査用ドローンは、肉体労働を前提に一から設計されている

手作業とSkygaugeの比較試験

Skygaugeは、Holloway NDT and Engineering社のPaul Holloway氏と共同で、手作業とSkygaugeの比較試験を実施した。ハミルトンにあるテストセンターで、廃止された煙突を対象に3回のテストを行い、手作業で測定した結果とSkygaugeの結果に精度の差はないことを確認した。

Skygaugeのテストを実施すると、各テストで適用した正確な位置と力をレポートにして、クラウドに保存。つまり、5年後、10年後、20年後と、同じ場所で同じ精度、同じ力で検査ができるということだ。

アクセスしにくい場所にアクセスする

高所の検査ポイントへのアクセスは、従来の方法では困難だ。足場の組み立て、マンリフトの設置、ロープアクセスの設置などを数日~数週間かけて行い、作業終了後に撤去する必要がある。これでは作業にコストと時間がかかり、検査対象の資産のダウンタイムが長くなってしまう。Skygaugeを使用することで、運搬、設置、撤去のための機材が不要になり、チームはわずか15分でセットアップを完了し、準備が整う。

Skygaugeは、GPSが使えない場所での作業を可能にし、危険な場所や狭い場所でも10~20倍のスピードで作業できる。作業員が狭い場所で過ごす時間を制限し、最も危険な場所には作業員ではなくドローンを送り込むことで、より早く、より安全で、より簡単に閉鎖空間への進入作業を完了させる。

フレアスタックや煙突などのアセットが稼働している間は、ロープアクセスやマンリフト、足場の手配はできない。重要なインフラであるため、稼働していない間は現場全体の作業が止まってしまうからだ。Skygaugeなら、稼働中の資産も検査できるので、現場のダウンタイムや混乱に伴うコストを最小化できる。

労働力を最大化する

既存の検査方法は、

  • ロープアクセス:高リスク
  • 足場を組む:高いマンパワー
  • 足場を組む:高所作業員
  • ブームリフト:長時間の使用

だった。

Skygaugeは、近接・全体目視検査用の高精細カメラと、Evident Scientific社の最先端超音波プローブを搭載。しかし、Skygaugeを使用することで、1チームがスコープで目視検査とUT検査を可能にする。以下のような仕事にドローンを使用できる。

  • 一般的な目視検査
  • 近接目視検査
  • 超音波検査
  • 上記の組み合わせ

Skygaugeの特注検査ソフトウェアは、ノイズを自動的に除去し、超音波A-スキャンを正確に読み取りる。このシステムの精度は、複数の独立したレベル3のNDT技術者によって検証されている。

UTの資格を持つロープアクセス技術者は、IRATAレベル2+のロープアクセス資格とレベル2または3の超音波検査資格を必要とする。これほど熟練した技術者を見つけるのは困難であり、その仕事には多額のプレミアムがつっく。Skyguageは、特別な資格を必要としない技術者とともに、パイロット証以上の資格を持たないドローンパイロットでも操縦できる。既存のパイロットは、わずか3~5日で同社のプラットフォームでトレーニングを受けられる。

Skygaugeキットには、Microsoft Teamsとの統合リモート検査作業が含まれており、UT技術者は遠隔地から検査をライブで見るか、レポートを保存して事後に確認できる。つまり、UT技術者が現場にいなくても、あるいは当日でも、Skygaugeの検査を成功させることが可能だ。

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