学生マンション3万件の顧客情報を漏えい 容疑で元社員ら2人逮捕

京都府警本部

 賃貸住宅の約3万件の顧客情報を漏えいしたとして、京都府警生活保安課と下京署は13日、不正競争防止法違反(営業秘密の不正取得、開示)の疑いで、福岡市東区、アルバイトの男(37)と、同市南区、コールセンター会社役員の男(27)を逮捕した。

 アルバイトの男の逮捕容疑は昨年12月5、22日、当時勤めていた学生マンション運営大手「ジェイ・エス・ビー」(京都市下京区)の福岡市博多区の営業所で、顧客管理システムに不正アクセスして27万1182件の個人情報をダウンロードし、うち2万9531件を役員の男に提供した疑い。

 役員の男の逮捕容疑は今年1月11日、提供を受けた1025件の個人情報をLINE(ライン)で電話勧誘事業者に送信した疑い。

 府警によると、漏えいした個人情報のうち約500件が、名簿を取り扱う役員の男を通じ、電話勧誘事業者のウオーターサーバーの営業に使用された。アルバイトの男は、ウオーターサーバーの成約1件ごとに7千円の報酬を得る予定だったといい、「個人情報が売れると知り、こづかいを稼ぎたかった」と容疑を認めている。

 「ユニライフ」のブランドで展開するジェイ社は、学生マンションの物件管理数が約8万5千室(4月末)の業界最大手。今年1月、勧誘電話を不審に思った契約者からの問い合わせで情報漏えいが発覚し、2月3日付でアルバイトの男を懲戒解雇した。同社は「既にセキュリティー対策を強化しており、再発防止に努めます」とコメントした。

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