「排ガス規制必須」2025年…変化迫られる原付 電動化の流れも整備に新たな技術・投資必要

皆さんは「原付バイク」の2025年問題をご存じですか?実は原付バイクが絶滅する可能性が指摘されているんです。そんな中、台頭してきているのが電気を使った乗り物です。私たちの交通手段に転換期が訪れています。

<井手春希キャスター>

「これは電動キックボードですね」

<広宣社 武田勝俊社長>

「販売・メンテナンス・試乗をしています」

静岡県内各地で実証実験が進んでいる電動キックボード。富士市の電動キックボードの販売店では、販売を始めた1年前から毎月1~2台売れています。

<広宣社 武田勝俊社長>

「これは40キロ出ますが、7月1日から法改正がされて20キロ以下、16歳以上無免許で乗れるようになります」

電動キックボードは7月の法改正により、今まで以上に手軽な乗り物になります。武田社長は買い物などの近場への移動手段として人気が高まると期待しています。

<試乗する井手春希キャスター>

「思ったより安定感があります。気持ちいい」

一方、縮小傾向にあるのが「原動機付自転車」、いわゆる「原付バイク」です。原付バイクは乗られている二輪車全体の4割以上を占めていて、これまで多くの人に移動手段として利用されてきました。

一方で保有台数は1985年の最盛期と比べると、約40年間で7割ほど減少しています。この背景にあるのが「原付バイク」の2025年問題です。浜松市中区にあるオートバイの販売店です。

<川島モータース 川嶋登志久社長>

Q.約2年後には、原付バイクがなくなるんじゃないかと聞いたことがあるんですが?

「2年後に原付バイクがなくなるということではなくて、2022年10月末に排気ガスの規制が厳しくなって、排気ガスの対策をしないと作っていけないという形になった。その期限が2025年の10月末に来る」

2025年の11月以降、現在売られている50ccの原付バイクは排気ガスの規制によって生産ができなくなるのです。この規制強化の対策として業界で進んでいるのが、50cc以下の原付バイクの電動化です。

<川島モータース 川嶋登志久社長>

「こちらが電動スクーター。50ccの原付です」

<井手キャスター>

「コンパクト。すごい軽い感じがします」

<川島モータース 川嶋登志久社長>

「基本的に電気だと部品点数が少ないですよね。エンジンと比べると。なので見た目も細くシンプルにコンパクトに作れる良さはある」

ただ、販売側は原付バイクの電動化への対応に追われています。

<川島モータース 川嶋登志久社長>

「(販売側は)整備士不足の時代だけど、新たな技術や新たな知識を習得しないといけない。工場自体の設備も電気のオートバイに対応する設備に変えるように投資をしなければいけないマイナス面が危惧されている」

「原付バイクの2025年問題」は原付ユーザーにとって、大きな変化を迫られることになりそうです。

50cc以下の原付に代わる乗り物の特徴をまとめました。まず免許に関しては51~125ccバイクは原付2種、電動バイクは原付または普通免許が必要です。一方、7月1日施行の改正道交法に対応した電動キックボードは免許がなくても乗れるようになります。次に、一般道での速度は51~125ccのバイクは時速60km、電動バイクは時速30km、電動キックボードは時速20kmです。

この特徴を踏まえて考えられる利用シーンは、51~125ccのバイクはある程度距離のある通勤通学などに適していて、電動バイクと電動キックボードは近場の移動に向いています。

© 静岡放送株式会社