金沢競馬での声援感謝 復帰の今村聖奈騎手

パドックでファンの声援を受ける今村騎手=金沢競馬場

  ●騎乗停止明け「背中を押してもらえた」 3着2回

 13日の金沢競馬で、JRA開催中にスマートフォンを不適切に使用し、30日間(5月13日~6月11日)の騎乗停止処分を受けた人気ジョッキー今村聖奈騎手(19)が復帰戦に臨んだ。今村騎手は計8レースに騎乗、金沢初勝利はならなかったものの、3着に2回入り、平日に訪れたファン1547人の声援に応えた。売得額(売上高)は3億5018万6900円に上った。

 今村騎手は第1レースから騎乗。パドックに登場すると声援が飛び、カメラを構えるファンも多く見られた。

 当初は硬い表情だったが、レースが進むにつれ、表情も和らぎ、声援に応えるように第6、7レースで連続3着となった。

 取材に応じた今村騎手は騎乗停止について「たくさんの方に迷惑を掛け、ファンの信頼を失う行為をしてしまった」と謝罪。その上で「この1カ月間は自分を見つめ直す時間だった。信頼を取り戻すためにもコツコツと頑張っていきたい」と語った。

 金沢のファンに対して「声援を送ってもらい、背中を押してもらえた。結果で恩返ししたい」と感謝した。

 先週火曜開催に比べ300人以上多いファンが入場し、場内は盛り上がった。仕事が休みで高岡市から訪れた村田清峻(きよたか)さん(28)は「GⅠジョッキーを目指して頑張ってほしい」とエールを送った。

 今村騎手の金沢登場は今年4月以来4度目。JRAのジョッキーが地方競馬で8鞍に騎乗するのは異例で、馬主の一人は「今週末の中央競馬復帰に向けた調整だろうけど、金沢にとっては思わぬ贈り物」と歓迎した。

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