昨夏に大きな騒動になったPSGキリアン・エムバペの去就問題。彼は夢だったレアル・マドリーへの移籍を封印し、PSGとの契約を延長する決断を下した。
だが、彼の去就問題がまた再燃している。エムバペとPSGとの契約は2025年までと発表されたが、実際は2024年までの2年間+1年の契約オプションという形で、オプション行使権は選手側にある。
そうしたなか、『Le Parisien』は、エムバペはこの夏のレアル移籍を望んでおり、PSG経営陣に対して延長オプションを行使しないことを伝える書簡を送ったと報じた。
エムバペは早期移籍を望んでおり、2024年にフリーで退団するのではなく、移籍金が発生するこの夏に移籍したいというもの。
ただ、エムバペ本人はこの報道に対して、「ウソだ。すでに言ったように、来シーズンはPSGで続けるつもりだし、僕はここでとても幸せだ」とSNS上で反論した。
この件について、『AFP』はエムバペ側からの証言としてこう伝えている。
「エムバペはPSGとの契約延長を話し合ったことは一度もないと語った。
PSGは2022年7月15日に延長オプションを行使しないという彼の決断を知らされており、今回送った書簡の唯一の目的は、すでに話し合ったことを確認するためだった。
エムバペと関係者は、15日前に書簡を送ったことの発表以外ではこの件について1年以上議論していないことを認めている。契約延長の可能性についても言及されていないとも。
彼と関係者はこう説明している。この夏の退団を要求してはいないが、延長オプションを行使しないことをクラブには伝えたと。
また、エムバペと関係者は、書簡がメディアに流出し、彼らイメージと話し合いに対してダメージを与えることだけを目的に公にされたことを遺憾に思っている」
エムバペ側がPSGとの契約延長を決めたのは昨年5月。だが、その直後の7月時点でオプション行使をしないことをPSG側に伝えていたという。
そして、このタイミングで書簡がメディアに流れたことを不快に感じているようだ。
だが、『Sky Sports』によれば、PSGは「エムバペチームが契約延長交渉にかかわっていないというのは全くの虚偽」とエムバペ側の主張を否定しているという。
また、エムバペの声明はクラブよりも先にメディアに送られたとも主張しているとのこと。
Sky Sports
「PSGは激怒している。
エムバペは契約延長の話し合いは行われてないとしているが、我々が掴んだ情報では何度も話し合いが行われており、PSG幹部から聞いた話とは矛盾している。
PSGは公でのコメントは控えているが、裏では激怒している。彼らは起きていることが理解できていない。
これは彼らが最も望んでいなかったことだ。毎年恒例のメロドラマになってしまった。
彼らは全てをコントロールできており、エムバペは幸せで落ち着いていると考えており、補強選手も獲得するつもりだった。
メッシが去ったPSGは新しい方向に進んでおり、若いフランス人を補強しようとしている。PSGはエムバペがそれを受け入れていると思っていた。
そして、昨日になって彼らはこのメールを受け取ったが、青天の霹靂だった。エムバペ側はそうではなく、2週間前にメールを送ったとしている。
本当に混乱した状況であり、これはPSGがこの夏に一番望んでいなかったことだ」
「PSGはエムバペを2024年夏にフリーで退団させることはありえないと我々に断言した。
『移籍市場は始まったばかりだが、不測の事態に備える。彼が退団するつもりなら、我々は彼を売った金を他の選手獲得のために使う』と」
エムバペとPSGとの関係は崩壊状態にあるようだ。
すでにメッシが退団しており、ネイマールにも退団の噂があるなかで、エムバペも売却することになるのか。ただ、レアルはすでにジュード・ベリンガムの獲得に大金を投じており、その点が障壁になりえる。
PSGはプレシーズンツアーで7月に来日する予定だが、この件がどうなるのか注目される。