「隣接校選択制」検討委、大分市教委に報告書提出 定員枠など一部改定要請【大分県】

報告書を手渡す山崎清男委員長=13日、大分市役所
大分市隣接校選択制検討委員会の報告書

 【大分】大分市立学校で導入している「隣接校選択制」の検討委員会(委員長・山崎清男大分大名誉教授、7人)は13日、現行制度の見直しを求める報告書を市教委に提出した。各校の定員枠に弾力性を持たせるなど一部の改定を要請した。市教委は報告書を踏まえ、8月末をめどに新制度を設計する方針。

 隣接校選択制は、小、中学校の新1年生となる児童、生徒が対象。指定校の隣の校区にある学校(隣接校)への入学を申請できる。申請理由は問わないが、各校の定員を超えた場合は抽選となる。

 報告書では「受け入れ定員」など5項目を検証した。そのうち4項目で、▽定員以上の申請があった場合、受け入れ可能かを校長と市教委が協議する▽許可要件を満たせば漏れなく希望校に通える「学区外就学」制度に「自宅から指定校・隣接校までの距離」の要件を設ける―などの変更が必要と指摘。社会情勢の変化などに応じて適宜、制度を見直すことも求めた。

 13日は山崎委員長(72)が市役所を訪問。「どうすれば子どもにとってより良い教育ができるかを今後も検討してほしい」とあいさつし、報告書を佐藤光好市教育長に手渡した。佐藤教育長は「しっかり受け止め、より良い制度づくりを進めたい」と述べた。

 市教委は今月開会予定の市議会定例会で報告書を説明し、意見を求めた後、現行制度の変更を最終判断する。変更する場合、要項の公表(9月1日)までに内容を固め、来年度入学者を対象にした申請(11月)から新制度に切り替える。

<メモ>

 大分市立学校の隣接校選択制は学校選択の機会の確保を目的とする。市内全域での実施(2009年度)から約15年がたち、市教委は利用者のニーズや実態に対応できているか検証すべきと判断。今年2月に自治会やPTA、学校の関係者らでつくる検討委を招集した。検討委は先月17日の第4回会合までに制度の改定を求める方針を固めた。

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