小中一貫の蒲江翔南学園、7年生に小学時代の「おさらい授業」 環境変化に伴う生徒負担軽減【大分県】

小学時代に学んだことを思い出しながら授業を受ける生徒。左が金田ゆみ教諭、右は楢原怜教諭=13日、佐伯市の蒲江翔南学園
小学6年用教科書の練習問題などを解きながら復習する生徒

 【佐伯】佐伯市蒲江蒲江浦の小中一貫校・蒲江翔南学園(安達一郎校長、260人)は本年度、7年生(中学1年)を対象にした「おさらい授業」を始めた。導入授業に組み込んで小学時に習ったことを思い出してもらい、中学の学びへの対応力を高める取り組み。小学教諭が中学の授業を担う方式は珍しく、一貫校の強みを生かした成果が注目される。

 中学進学時は新たな環境での生活、学習が始まり、生徒の負担が増える傾向にある。一貫校の同校でも進級後、授業が学級担任制から教科担任性となり、時間も45分から50分に延びる―などがある。環境変化への対応として、生徒の負担を軽減し、学びに向かう力を引き出す「おさらい授業」を考えた。

 初年度は数学で取り組む。教員間の協議で、小学高学年の算数と中1の数学で連動している「文字を用いた式」「平面図形」「比例反比例」に着目。1回の授業に収まるよう内容をまとめ、それぞれの導入授業(計3回)に取り入れた。

 13日、最初の授業(文字を用いた式)があった。中学の楢原怜教諭と小学の金田ゆみ教諭が担当。生徒は小学6年用教科書の練習問題などを解きながらしっかりと復習し、「思い出せてよかった」と前向きな感想を寄せた。

 今後は授業内容などを検証し、反省点、課題などを見直しながら進める。他教科への拡大も検討する。

 安達校長は「子供たちが習ったことを思い出し、『あーそうか』という気付きになってくれればいい。学びの振り返りで苦手意識の払拭につなげたい。研修を通じて教員のスキルアップも図れれば」と話した。

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