多言語で紹介、別府市の防災・観光情報アプリ完成 7月2日から運用【大分県】

完成したアプリ「みなとオアシス安全・安心マップ」
「みなとオアシス安全・安心マップ」の完成を長野恭紘市長(左)に報告した別府国際観光港みなとまちづくり協議会の奥村伸幸会長=別府市役所
「みなとオアシス安全・安心マップ」について説明する別府国際観光港みなとまちづくり協議会の奥村会長

 【別府】別府市内の防災と観光情報を多言語で紹介するアプリ「みなとオアシス安全・安心マップ」が完成した。災害時、日本語が分からない観光客や留学生が困らないように避難所までのルートなどを表示する。運用は7月2日から。将来は全国の情報を発信するアプリを目指す。

 官民でつくる「別府国際観光港みなとまちづくり協議会」(奥村伸幸会長)の取り組み。観光庁の「インバウンド安全・安心対策推進事業」を受け、総事業費約660万円の半額の補助を受けた。アプリの開発は大分市のIT企業「ビット・クルー」(小野秀(まさる)社長)。

 アプリは日本語のほかに英語、韓国語、中国語に対応。平常時はイベントや施設の情報も発信し、観光アプリとして活用できる。

 災害時には▽地震、気象、津波などの緊急速報▽自治体指定の避難所▽医療機関の場所―などの情報を提供する。

 自治体の運用するシステムと連携することで、タイムラグなく情報を届ける。位置情報機能をオンにしておけば、近くの避難所までの経路が分かる。移動距離、所要時間も表示される。

 奥村会長によると、熊本・大分地震(2016年)の際、別府市内の留学生や外国人観光客の混乱した様子に、アプリの必要性を痛感したという。立命館アジア太平洋大(APU)の留学生の意見を参考にしながら開発した。

 協議会の関係者は12日、市役所で長野恭紘(やすひろ)市長に完成を報告。長野市長は「災害時に外国人観光客がどのように対応すべきか瞬時に判断できるアプリ」と評価した。

 協議会は今後、県内の宿泊施設や観光施設などに協力を仰ぎ、システムの強化、対応自治体の拡大を目指すという。奥村会長は「アプリを充実させ、観光客が安心して訪れられるような別府にしたい」と話している。

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