京都の仁和寺で男が暴れ職員けが 深夜の境内に侵入、国宝の扉傷つく

仁和寺金堂(14日、京都市右京区)

 13日午後10時10分ごろ、京都市右京区御室の真言宗御室派総本山・仁和寺で、境内に立ち入っていた男に男性職員(35)が工具で頭を殴られた。

 男は別の職員に取り押さえられ、通報で駆け付けた京都府警右京署員が傷害の疑いで現行犯逮捕した。仁和寺によると、国宝・金堂の扉が傷つけられており、同署が関連を調べている。

 右京署によると、逮捕されたのは住所不詳、自称無職の男(75)。当時、仁和寺は閉門して人が入れない時間帯だった。殴られた職員は打撲のけがを負った。男はニッパーやドライバー、懐中電灯などを所持していたといい、同署が動機などを調べている。

 仁和寺などによると、金堂の西側入り口の鍵を工具のようなもので壊そうとしていた男を職員が見つけ、声をかけたところ殴りかかられた。金堂の扉には、鍵を壊そうとした際に付いたとみられる傷があるという。

 金堂は江戸初期に京都御所の紫宸殿(ししんでん)を移築した建物。仁和寺は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産「古都京都の文化財」に登録されている。

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