エルサルバドル戦を前にサッカー事情を紹介!サッカー戦争、エルサルバドル代表を目指した日本人とは

日本代表は今月15日午後7時10分に豊田スタジアムで、エルサルバドル代表と対戦する。

これまでエルサルバドル代表とは過去に1試合対戦しており、2019年6月9日にFW永井謙佑(現・名古屋グランパスエイト)の2得点により2-0で勝利を収めた。

情報が少ないエルサルバドルはどんな国なのか。サッカー情報を含めてお届けする。

エルサルバドルはどんな国か?

エルサルバドルはカリブ海の島国を除けば最小の国家であり、国土面積は2万1040平方キロメートルと日本の四国よりやや大きい。

公用語はスペイン語で首都はサンサルバドル。

同国で最も人気のあるスポーツはサッカーであり、同国代表はワールドカップ1970年メキシコ大会、1982年スペイン大会に出場した。

スペイン大会では第1次リーグのハンガリー戦で1-10と大会史上最多失点記録となる大敗を喫した。

サッカー戦争とは

同国のサッカーシーンで最も有名なトピックスは1969年7月14日から19日にかけて勃発した『サッカー戦争』だろう。

なぜこの名称になったのか。

背景にホンジュラスのエルサルバドル人移民問題、エルサルバドルの工業化に伴うホンジュラスとの貿易格差、国境線の問題などがあり、戦争が起きる1960年代後半にはホンジュラスがエルサルバドル移民を国外退去させるなどして両国間の対立が深まっていた。

そしてワールドカップ1970年メキシコ大会北中米予選1次ラウンドにて問題が発生した。

1969年6月8日にホンジュラスホームで開催されたエルサルバドル代表戦が開催され、ホンジュラス代表が1-0で勝利した。

この結果により熱狂的なエルサルバドル代表サポーターの18歳女性が拳銃自殺を図り、同国に衝撃が走った。

この女性の葬儀は当時の大統領やエルサルバドル代表選手らも参列するほど国を挙げて少女の死を悲しんだ。

そして6月15日にエルサルバドルホームでホンジュラスとの対戦となったが、ホンジュラス代表サポーターが暴行を受けて2人死亡し、自動車150台が放火されるなど国際的な問題となった。

試合はエルサルバドル代表が3-0で勝利を収めた。

6月27日にメキシコで行われた予選最終戦でエルサルバドル代表はホンジュラス代表を延長戦の末に3-2で下し、予選最終ラウンドへ進出した。

予選終了後にホンジュラス国内のエルサルバドル移民が襲撃を受けるなどして、両国は国交を断絶。

そして7月14日から19日の間に戦争へ発展し、最終的にアメリカ大陸の安全保障、紛争の平和的解決を目指す米州機構の調停が入る形で停戦に至った。

現在の代表とエルサルバドル代表を目指した日本人

エルサルバドル代表は現在FIFAランキング75位、北中米サッカー連盟では7位と中堅国として存在感を見せている。

今回招集されたメンバーに突出した個人能力を持つ選手は見当たらないが、オランダ1部アヤックスの下部組織育ちのMFエンリコ・エルナンデス(スペイン4部FCカルタヘナB)は優れたテクニックとサッカーセンスを持ち合わせている。

余談になるが、過去にエルサルバドル代表入りを目指した日本人選手がいた。

2002年にエルサルバドルのマル・デル・プラタでプレーした今井祐介さんは、「エルサルバドル代表として2006年ワールドカップ出場を目指す」と自身の公式ウェブサイト上で公言していたが、代表入りには至らなかったようだ。

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15日に開催されるエルサルバドル代表はどのようなサッカーを見せるのか。

2019年の対戦に続いて勝利する形で、20日のペルー戦につなげたいところだ。

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