岩手県、教育旅行受け入れ支援 1人1泊2千円、宿泊施設に支給

 岩手県は、教育旅行を受け入れる宿泊施設の支援に乗り出す。教育旅行は1年以上前に行き先と代金を決めるケースが多いが、物価高騰でコストが上昇し、施設側が価格転嫁できずに実質負担している状況にあった。同様の支援は全国でも珍しく、1人1泊当たり2千円を支給し、安定的な受け入れにつなげる。

 県によると、修学旅行などの教育旅行は一定額を事前に見積もって、施設側と契約を結ぶのが一般的となっている。一方で光熱費や食材費がここ1年で急激に上昇。施設側が高騰分の支払いを求めるのは難しく、施設が実質負担している実態があった。

 県は観光業界から負担軽減の要望を受けており、緊急支援が必要と判断した。2023年度内の教育旅行が対象。同様の支援を都道府県単位で行うのは全国で初めてとみられる。事業費1億5880万円を盛り込んだ23年度一般会計補正予算案を23日招集の県議会6月定例会に提案する。

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