陸自銃発射「AED持ってこい」 緊迫の叫び、住民困惑

陸上自衛隊日野基本射撃場の施設周辺に集まった自衛隊員ら=14日午後3時2分、岐阜市

 「AED持ってこい。コンビニにあるだろ」。岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場から叫び声が上がった。14日、自衛官候補生の男(18)が隊員3人に向けて小銃を発射した事件。消防や警察が駆けつけ緊迫する中、同僚の隊員は力なく草むらにしゃがみ込んだ。

 近くに住む40代の女性は午前9時25分ごろ、自動体外式除細動器(AED)を要求する大声に、ただならぬ雰囲気を感じた。自宅の窓越しに射撃場を見ると、隊員らが駆け回り、消防や警察の緊急車両を誘導していた。銃撃事件を考慮してか、ヘルメットをかぶった警察官もいた。

 「子どもが敷地内にボールを投げ入れてしまっても、快く拾ってくれた。手を振ったら、振り返してくれる気さくな人が多かった。真面目に訓練している印象だったのに…」と困惑していた。

 献花に訪れた岐阜市の道木愛梨さん(19)は東日本大震災での自衛隊の活躍を記憶している。「自衛隊は少しでも信用を取り戻してほしい」と涙ながらに語った。

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