旧本寺小の同級生2人、一関の消防士に 岩手・宮城内陸地震15年

「内陸地震の記憶を防災に生かしていく」と誓い合う佐藤一稀さん(左)と小岩啓人さん=一関市山目・市消防本部

 「自分たちが安心を届ける存在になる」。2008年の岩手・宮城内陸地震の震源地に近く、当時避難所にもなった一関・旧本寺小の同級生2人が地元の消防士となり、命の現場で奮闘している。あれから14日で15年。風化が懸念される中、災禍の鮮明な記憶を次世代につなぎながら、地域を守っていく。

 一関市山目の市消防本部。「訓練はどう」「この前の仕事で」。平泉分署に勤める佐藤一稀(かずき)さん(24)=同市萩荘=と、藤沢分署の小岩啓人(けいと)さん(23)=同市厳美町=は久しぶりの再会ながら、息の合った会話を続けた。

 佐藤さんが19年春、小岩さんが翌20年春に市消防本部の消防士になった。同僚では数少ない本寺地区出身の2人は「毎日が勉強」と声をそろえる。日常の現場出動のほか、佐藤さんは救助大会に向けた訓練、小岩さんは救急救命士として実習を重ねている。

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