被災地医療、支えた12年 前川裕子さん、6月離任し古里徳島へ

同僚の医師に囲まれ、全力で駆け抜けた12年間を振り返る前川裕子さん(中央)=県立宮古病院

 東日本大震災の被災地で患者に寄り添い続けて12年。宮古市崎鍬ケ崎の県立宮古病院で循環器内科長を務める前川裕子(まえがわゆうこ)さん(47)は今月末で宮古を離れ、地元の徳島県に戻る。被災後の惨状に「現場の役に立ちたい」と使命感に駆られ、東京から赴任し、全力で地域を支えた。「宮古には感謝の気持ちでいっぱい。経験や知識を糧に古里で地域医療に携わりたい」と今後の活躍を誓う。

 「ただただ無我夢中でやってきた」。多忙を極める病院内で、前川さんを慕う同僚医師に囲まれ、走り続けた12年間を振り返った。全くゆかりのなかった場所が「第二の古里」になった。

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