愛犬の涙やけにしてはいけない『3つのタブー』 絶対NGな理由と正しいケア方法とは?

犬の『涙やけ』とは

犬の多くが起こしがちな『涙やけ』という症状をご存知でしょうか。涙やけとは、何らかの原因で犬が過剰に涙を分泌してしまい、目から涙が溢れてしまうことで目の周りの毛色が変色してしまう状態を指します。

特に毛色の薄い犬は涙や毛が目立ちやすく、先天的であったり後天的な原因で鼻涙管閉塞を引き起こすなど、涙やけを発症しやすい犬種も存在します。

涙やけは変色だけが問題ではありません。放置していると目が炎症を引き起こしたり、目の周りで細菌が繁殖してしまうなどのリスクも考えられます。「涙の量が多い」「涙やけかも」と思ったら早めに対処しましょう。

愛犬の涙やけにしてはいけない『3つのタブー』

愛犬が涙やけを引き起こしているかも…と思った時、誤った対処法は余計に症状を悪化させてしまう恐れがあります。愛犬に涙やけの疑いがある場合は、以下のような行動を避けるようにしましょう。

1.ゴシゴシと強く拭き取る

涙やけによる変色が気になるからと多くの飼い主さんがやりがちな行為に、ゴシゴシと強くウェットティッシュなどで擦る対処法があります。

しかし、ゴシゴシと強く拭いてしまうと目の周りの薄い皮膚が傷ついたり、刺激によって皮膚炎を発症する恐れがあります。

また、ゴシゴシと強く擦った刺激によって余計に涙が過剰に分泌されてしまい、涙やけが悪化する原因になることも…。涙やけ部分を綺麗に拭く際は、優しくぬるま湯で拭き取るように心がけましょう。

2.掃除していない不衛生な環境で過ごさせる

犬の涙やけにはさまざまな原因がありますが、アレルギー反応によって涙が過剰分泌されるケースが非常に多いです。犬が起こしやすいアレルゲンの中には、ハウスダストも含まれているため、犬の生活範囲は常に清潔にしておきたいですね。

あまり掃除の行き届いていない不衛生な環境で過ごさせていると、ハウスダストを大量に吸い込んでしまい、ハウスダストアレルギーを発症する恐れがあります。

こうしたアレルギー反応や、汚れにより涙の分泌が増えるなどの原因で涙やけにつながるので、常に部屋は清潔な状態を保つよう意識しましょう。

3.アレルゲンを含む食べ物を与える

犬によってはアレルゲンを含む食べ物によって、涙が過剰分泌されることもあるでしょう。ドッグフードもアレルゲンとなりやすい穀物類などを含んでいることが多いので、与えているドッグフードの原材料を確認してみてください。

犬のアレルギー検査は動物病院で行えます。「最近、やけに涙の量が多い」と感じる場合は、一度動物病院でアレルギー検査を受けることをおすすめします。

涙やけがひどい愛犬への正しいケア方法は?

涙やけができてしまった愛犬には、正しいケア方法で少しずつ改善していきましょう。早い段階であれば、以下のようなケア方法で涙やけが緩和されることが多いです。

  • 涙をこまめにぬるま湯で優しく拭き取る
  • 目の周りの長い毛をカットする
  • 涙やけ用の化粧水やクリーナーを使う
  • ドッグフードをアレルゲンを含まないものに切り替える
  • 愛犬が過ごす生活範囲を清潔に保つ

涙やけがすでに頑固にこびりついてしまっている場合は、一度動物病院に相談し、適切な処置をしてもらった後、原因を突き止めてもらいましょう。

原因がわかることによって生活習慣を見直すことができ、涙やけが徐々に改善されることも大いにあります。ぜひかかりつけの動物病院に相談してみてください。

まとめ

いかがでしたか。愛犬の涙やけは多くの飼い主さんにとって悩みの種の1つとなっています。適切な対処法で少しずつ改善していきましょう。もしもホームケアで対処できない場合は、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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