米FRB、金利据え置き 年内2回利上げ見通し

記者会見するFRBのパウエル議長=14日、ワシントン(共同)

 【ワシントン共同】米FRBは14日、連邦公開市場委員会で、主要政策金利を5~5.25%に据え置くことを決めた。利上げを見送るのは昨年1月以来、11会合ぶり。一方、年末時点の金利の予測は従来の5.1%から5.6%に上方修正し、物価高対応のため年内に利上げを再開するとの見通しを示した。

 通常の利上げ幅は0.25%で、予測通りの金利到達には残り2回の利上げが必要となる。3月以降に相次いだ銀行破綻による金融不安で企業などへの融資縮小が続いており、追加の利上げが重なれば、大幅な経済悪化に陥って世界経済の下振れ要因となる恐れがある。

 パウエル議長は会合後の記者会見で、金利据え置きの理由を「金融引き締めの状況や、融資縮小による逆風などを考慮した」と説明。過度な金融引き締めによる悪影響への警戒感を示した。ただ高止まりする物価上昇率を踏まえ「会合出席者のほぼ全員が、年末までに金利をいくらか引き上げることが適切であると予想している」とした。

米連邦準備制度理事会の本部=3月、米ワシントン

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