公募の10人全員合格 仲代さん審査「みんな素晴らしかった」

オーディション参加者を審査する仲代さん(左から2人目)=5月29日、七尾市の能登演劇堂

  ●能登演劇堂 無名塾公演「等伯」 今秋、国文祭で上演

 今秋の国民文化祭に七尾市の能登演劇堂で上演される劇団「無名塾」公演「等伯-反骨の画聖-」(北國新聞社後援)で、共演する市民キャストの公開オーディションを受けた10人全員が合格した。4人が七尾市、1人が輪島市、5人が県外在住で、14日までに合格通知が各自に届いた。当初は5人程度を選考する予定だったが、1人でも多くの市民と舞台を創りたい無名塾主宰の俳優仲代達矢さんの意向が反映されたとみられる。

 オーディションは5月29日に能登演劇堂で行われ、仲代さん、台本を手掛ける岡山矢(や)さん(輪島市門前町出身)らが審査した。舞台で台本を読み上げた10人に対し、仲代さんは「みんな素晴らしかった。(合否を)どうしようか悩んでいる。困ったね」と笑みを浮かべ、全員合格に含みを持たせていた。

 演劇堂の無名塾公演で、エキストラではないせりふのある配役の公募は初めて。10人は七尾出身の絵師長谷川等伯の弟子、町人、職人といった役が想定され、9月から稽古に入る。

 合格者の1人で、昨年秋の無名塾公演「いのちぼうにふろう物語」(北國新聞社後援)にエキストラで参加した寺谷三郎さん(69)=七尾市中島町豊田=は「残された人生の記念にしたい。決まったからにはプロの役者の足を引っ張らないよう一生懸命頑張る」と意気込みを語った。

 作品では等伯の生涯に迫り、国宝「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」の誕生などを描く。仲代さんは出演せず、演出を担当する。公演は10月20日~11月5日の全15回。チケットは演劇堂などで扱っている。

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