「葛巻の鉄山」発刊 跡地と現状について紹介

葛巻の鉄に関する歴史をまとめた「葛巻の鉄山」

 葛巻町教委は、町文化財報告書第8集「葛巻の鉄山」を発刊した。町文化財保護委員らが鉄産業や鉄山の跡地と現状について調査し、一冊にまとめた。

 製鉄業が盛んになった江戸時代後半から明治初期の歩みをたどり、八戸藩の財政を支える一翼となった「葛巻商人」の活躍を明らかにした。同町江刈に残る江刈鉄山跡や平庭鉄山跡の写真や地図も紹介する。

 当時八戸藩に属していた葛巻では藩の政策に応じ、酒造経営で財を蓄えた豪農が、鉄山開発や鉄製品加工で経営を拡大。農具販売や米などの輸送と経営を広げたことで、「豪商へと発展していったと考えられる」とする考察も興味深い。

 A4判、30ページで700円。町教委まなび交流課で購入できる。問い合わせは同課(0195.65.8990)へ。

© 株式会社岩手日報社