ITの最新事情解説 3講師、水戸工高生に

IT活用を巡る企業や県の担当者の話を聞く生徒たち=水戸市元吉田町の水戸工高

産官学で連携してIT(情報技術)人材の育成に取り組む事業「いばらきP-TECH(ピーテック)」のスタートアップ講演会が14日、水戸市元吉田町の県立水戸工業高で行われた。県職員や警察官、銀行員の3人が、情報技術科の1年生40人に対し、最新の情報セキュリティー事情、各業務でのデジタル化の進展などについて解説した。

県警サイバー戦略推進室の白土哲也警部補は、クレジットカードなどの決済情報をだまし取る「フィッシング詐欺」が世界規模で拡大している現状を紹介。「国境のないサイバー空間での脅威をどう守っていくかが注目されている」と強調した。12月のG7茨城水戸内務・安全担当大臣会合にも触れ、「サイバーセキュリティーについても議論される。関心を持ってもらえれば」と話した。

このほか、サービスのデジタル化を推進する常陽銀行の担当者と県情報化統括監が講師を務めた。

いばらきピーテックは、県経営者協会の会員企業などが、IT関連の経営者や技術者を同校に講師として派遣する事業。高校生に情報産業への就業についてより具体的なイメージを膨らませてもらう狙いがある。希望者は同校卒業後も、県立産業技術短大(2年間)で継続したプログラムを受けることができる。

講演に熱心に耳を傾けた小松幹さん(16)は「セキュリティーの仕事へのイメージが膨らんだ。ITを使って人々の暮らしを守れるような仕事を目指したい」と話した。

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