<南風>スパイスカレーのすすめ

 2023年1月、世界の伝統料理ランキングで日本のカレーが1位に輝いた。もはやカレーは日本の国民食になりつつある。私が魅了されているのは、スパイスカレーの世界だ。最近では、沖縄県内にもスパイスカレーの専門店が増え、なじみ深くなってきた。

 スパイスカレーはその名の通り、スパイスの風味を楽しむのが醍醐味(だいごみ)だ。スパイスというと、辛いイメージを持つ人が多いが実際にはスパイスの風味は辛いものだけとは限らない。それぞれのスパイスの役割を知ることにより、自分好みのカレーを作ることができるのも魅力の一つだ。

 しかし、スパイスカレーを作るのは難しそう、どんなスパイスから準備すればいいのか分からないという声を多く聞く。確かに、世界には約3千種類ものスパイスがあると言われており、迷うのも当然だ。

 だが、それぞれのスパイスの役割を知れば、たった4種のスパイスだけで、基本のスパイスカレーを作ることも可能だ。その4種とは、カレーの香りの基本となるクミン、色付けの役割をするターメリック、香りのアクセントやとろみを出すコリアンダー、辛さを決めるレッドペッパーだ。辛さが苦手だったり、子ども向けだったりする場合は、レッドペッパーを辛みのない風味スパイスのパプリカで代用可能だ。

 スパイスカレーのうれしいポイントがある。種類にもよるが、スパイスカレーはバターなどの動物性油脂や小麦粉を使用しない調理法が主で、市販のルウを使うカレーより断然ヘルシーに仕上がる。こちらのコラムでは、レシピの細かい紹介までは難しいが、レシピ本やシェフ直伝のレシピ動画なども多々あるので、ぜひトライしてほしい。コツさえつかめば時短で作ることもでき、あなたもスパイスカレーの世界に夢中になる日も近いかもしれない。

(下地友香、ちゅらグルメ編集長)

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