高校入試にデジタル採点システム導入を 千葉公立高の記述問題 マークシート採用も 今春の採点ミス受け改善検討会議提言

千葉県庁

 今春の千葉県内公立高校入試の採点ミスを受けた対応について、県教委は14日、記者会見を開き「改善検討会議」(座長、真田範行弁護士)からマークシートの採用など再発防止に向けた提言を盛り込んだ報告書が提出されたと発表した。

 報告書は、記述問題で得点を自動計算する「デジタル採点システム」の採用も提言した。同会議の真田範行座長は同日に開いた記者会見で「いずれも採点の人為的ミスを極小化するため、有効と判断した」と説明した。

 県教委によると、同システムは答案を機械で読み取り、パソコンの画面に表示。複数の解答用紙と正答を見比べることで採点のブレを防ぐことが期待できるという。

 提言はチェック体制の強化も求めた。教員を2組に分けてそれぞれ採点し、結果を突き合わせて点検。合否のボーダーライン付近の得点だった場合はさらに点検することで、合否の誤りを防ぐとした。

 教員が採点に集中できない環境を改善するため、授業などを行わず採点に専念する日を2日程度設けることも提案。改善策を中学や高校に周知するとともに、採点や点検の県共通マニュアルの作成を要請した。

 提言を受け、県教委の中西健教育振興部長は「県民や受験生に信頼される新たな入試制度をつくるうえで、提言をしっかりと受け止めたい」とした。マークシートの導入を想定し「中学生は慣れておらず不安はある。来春までに対応できると思うが教員が(試験内容を)十分理解し、生徒にも記入に慣れてもらう必要はある」との認識を示した。

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