岩手県産ワカメ、数量伸びず 震災後最低水準、単価は上昇

水揚げしたワカメのボイル作業。品質の高い県産は引き合いが強いが、今年の数量は伸び悩んだ=4月、大船渡市

 2023年産の岩手県産養殖ワカメの入札会が終了し、5月20日までの数量は1万869トン(前年同期比9.0%減)、金額は29億9890万円(同7.0%増)だった。県産の引き合いは強いが、生育不良や病害虫の被害で数量が伸び悩んだ。今後も出荷は続くが、11年産を除いて東日本大震災以降の最低水準となる見込みとなった。

 県漁連によると、入札会は3~5月に計6回開催。減産で品薄となったため、主力の塩蔵芯抜き1等の平均単価(10キロ)は1万9542円で、過去10年平均の1.4倍に上昇した。

 数量は12~18年、1万4千~1万6千トン台で推移。19年に震災後最低の1万890トンに落ち込み、低調が続く。今年の減産要因は栄養塩不足による生育不良と病害虫の被害が大きい。県北部では、数量が平年の1割程度にとどまる地域もあった。

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