今季2戦目の耐久カップはクプラ陣営が制圧。トヨタは表彰台ならず/TCRサウスアメリカ第4戦

 ブラジルはインテルラゴス、ホセ-カルロス・パーチェにてTCRブラジル併催で争われたTCRサウスアメリカ・シリーズ第4戦は、今季2回目の1時間耐久レースとして開催。世界的ビッグイベントがひしめく6月10~11日のレースウイークは、予選こそ選手権首位のイグナシオ・モンテネグロ組(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がポールポジションを奪ったが、決勝は地元ブラジルのW2プロGPが主役を演じることに。

 ガリド・オスマン/フェリペ・ラピーニャ組と、ラファエル・レイス/ホルへ・バリオ組(W2プロGP/クプラ・レオン・コンペティションTCR)の2台が最終的にワン・ツーフィニッシュを達成し、優勝争いも展開したTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)製トヨタ・カローラGRS TCR勢は、4位、5位、7位、そして9位と、惜しくも表彰台を逃す結果に終わっている。

 前戦テルマス・デ・リオ・オンドでの耐久イベントに続き、連続開催となった1時間フォーマットは、前回同様ゲストドライバーからの予選アタックで始まると、新鋭モンテネグロとタッグを組むルーカス・コロンボが躍動。オスマンの相棒を務めるSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”経験者ラピーニャらを撃破し、合算タイム最速を記録した。

「正直に言って、ポールポジションを獲得できるとは予想していなかった。通常の状況であればトップになれるとは思っていたが、昨日は完全に快適ではなかったし、今日はいくつかの挫折もあった。それでもやり遂げることができたし、それには大きな価値があるね」と語ったコロンボ。

 2列目3番手には、南米大陸で「技術的最高峰のツーリングカー選手権」と称するアルゼンチンはTC2000(旧スーパーTC2000)出身のマティアス・ミラから、今回は地元SCBにレギュラー参戦中のガエターノ・ディ・マウロを起用したファン-マヌエル・カゼッラ組(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が続き、こちらもSCB組のギリェルメ・サラス/ギリェルメ・ライシュル組(PMOレーシング/プジョー308 TCR)を挟んで、ベルナルド・ラヴァー/ガストン・イアンサ組(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)と、レイス/バリオ組のクプラが続くトップ6となった。

優勝争いも展開したTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)製トヨタ・カローラGRS TCR勢は、4位、5位、7位、そして9位と、惜しくも表彰台を逃す結果に終わっている
ポールポジションを奪ったイグナシオ・モンテネグロ組(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)も、まさかの2戦連続ノーポイントに

■レース後2位のカローラにペナルティ、クプラのワン・ツーが確定

 ドライバー交代を伴うピットストップ義務付けの60分勝負が、現地日曜正午過ぎに開始されると、予選7番手で“グリッドドロー”の好機を得たトヨタ陣営ファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)が、序盤から地元W2プロGPオスマンとの首位攻防戦を展開する。

 そこへもう1台のトヨタ、ディエゴ・ヌネス(コブラ・レーシングチーム/トヨタ・カローラGRS TCR)が援軍とばかりに迫ったが、9周目にはクプラがドアをこじ開け首位を奪取。そこからジリジリとリードを拡大していく。

 義務ピットのウインドウが開くと、首位を奪ったオスマンはラピーニャにスイッチしてポジションを堅持。2番手でヌネスからチアゴ・ヴィヴィクアに交代したコブラ・レーシングのカローラは、そこからクプラのリヤバンパーを何度も突き、ボディを擦り付けての肉弾戦を展開し、僅差の2位でチェッカーを受ける。

 しかしフィニッシュ後にはさらなる波乱が待ち受け、最低ピット停車時間の違反により、コブラ・レーシングには90秒のペナルティが言い渡され、70号車のカローラは9位に降格することに。これで2位にレイス/バリオ組のクプラが続いてワン・ツーが確定、3位にカゼッラ/ディ・マウロ組のFK8型ホンダ・シビックが並ぶポディウムと変わった。

 健闘を見せたパラディーニ・レーシングのロッソ/ルチアーノ・ファローニ組と、ファビアン・シャナントゥオーニ/ベト・モンテイロ組(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)が4位、5位となった一方で、ポールシッターのモンテネグロ組シビックはリタイアを余儀なくされ、これで2戦連続ノーポイントに。

 同じく戦前はランキング2位だったトヨタ・チーム・アルゼンティーナ(TTA)のベルナルド・ラヴァーも完走ならず。結果、繰り上げ2位のレイスがポイントリーダーの座を手にし、2位にカゼッラが浮上、モンテネグロは首位と26点差の3位に降格している。

 続くTCRサウスアメリカの第5戦は通常の2ヒート制フォーマットに回帰し、7月21~23日の週末にウルグアイのリベラに位置するアウトドローモ・エドゥアルド ・プルデンシオ・カブレラにて争われる。

ガリド・オスマン/フェリペ・ラピーニャ組がディエゴ・ヌネス/チアゴ・ヴィヴィクア組(コブラ・レーシングチーム/トヨタ・カローラGRS TCR)の猛攻を凌ぐ
繰り上げ2位のレイスがポイントリーダーの座を手にし、2位にカゼッラが浮上、モンテネグロは首位と26点差の3位に降格している

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