「無印」出店に暗雲…市長VS議会 安芸高田市

報道陣に囲まれる安芸高田市・石丸市長。議会との対立が、“また”始まりました。

石丸伸二市長「何とか足を引っ張りたいというのが透けて見えるじゃないですか。その意思が(議会は)反対をするのが目的となっている」

今回、論争を巻き起こしているのは市長が発表した道の駅への「無印良品」出店計画。しかし議会側は出店のため行った市長の“ある手法”に反発します。

山本数博議員「議会制民主主義は崩壊することになる」

無印良品出店をめぐる攻防の行方は?

安芸高田市は4月、地元品の販路拡大などを目的に生活雑貨「無印良品」が道の駅「三矢の里あきたかた」に出店する計画を発表しました。

13日の市議会予算委員会では、出店のための道の駅改修費を盛り込んだ補正予算案が審議されました。しかし…

山本数博議員「この度の事象は地方自治法で示されている二元代表制の根幹を揺るがす事態になり、本市における議会制民主主義は崩壊することになると思います」

議員が問題視したのは市長が行った「専決処分」でした。専決処分とは本来、議会が議決しなければならない予算などを議決を経ず例外的に市長が意思決定すること。時間的に議会の招集を待てない場合などに行われます。

石丸市長は「無印良品」の出店を発表した翌日の4月28日、調査設計費450万円を専決処分していました。

石丸伸二市長「情報をオープンにできるのが4月のタイミングにしかならなかったので専決処分した。首長が数字を出して日付をだして(議会に)時間的に余裕がないと言っているわけですからその時点で成立しますよ」

しかし市長と距離を置く最大会派は議会軽視だと反発します。

「出店が市に有益かどうかではなく誘致経緯の説明が不十分」などと予算の修正案を提出。無印良品出店のための改修費を削除し可決しました。

最大会派のベテラン議員は…

先川和幸議員「無印良品が良いとか悪いとか誰も一言も言っていないよ。(誘致過程を説明して)無印さんですというなら議会はさっと通った思うよ。そうではなしに市長は一方的に議会なんかどうでもいいと」

一方「地域が発展するチャンスで市民の期待も大きい」と改修費の削除に反対した新人議員は議会の内情をこう語りました。

南澤克彦議員「ヤイト(お灸)を据えちゃらにゃぁいけんみたいな声も言ってる方がいらっしゃって、それと街づくり、市民の生活一緒にしちゃぁまずいだろうなと」

議会はこれまでも公募を経て内定した石丸市長の副市長人事案を「議会への説明不足」などを理由に否決していますが、市長は「議員は市民の代表」と強調します。

石丸伸二市長「色んな可能性を提示しているにもかかわらず、それをないがしろにしている人を見るとああかわいそうだなと思います。ただそれはさっきもお話ししましたが全て市民(=議員)の決定なので市民が受けとめるしかないんだと思います」

最終的な採決となる16日の本会議。「無印良品」出店のための道の駅改修費を削除した予算案が可決される見通しで、計画への影響は必至です。

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