【ミャンマー】高官らとスーチー氏の面会否定=国軍報道官[政治]

ミャンマー国軍高官が民主派指導者で元国家最高顧問のアウンサンスーチー氏と首都ネピドーの刑務所で面会したとの地元メディアの報道について、国軍のゾーミントゥン報道官が完全否定している。イレブンや英BBC放送ビルマ語版などが14日伝えた。

報道官は報道内容について、「うわさ話だ」と一蹴し、面会の実施について否定した。スーチー氏の収監場所についても「以前から変化がない」と述べるにとどめ、具体的な場所を明示しなかった。スーチー氏の健康状態については「良好だ」と話した。

ミャンマーの複数の地元メディアは13日、匿名の当局者の話として、3人の国軍高官が5月27日と6月4日に、収監されているスーチー氏と面会したと報じた。3人はスーチー氏に対し、軍政による平和構築の動きを支持し、民主派勢力による抵抗をやめさせるよう求めたが、スーチー氏はこれに応じなかったという。

3人の軍高官は、国軍が副首相兼内相に任命したソートゥ氏、国軍の国内和平推進機関である国民連帯・和平交渉委員会(NSPNC)委員長のヤーピェ氏、退役将校で過去に少数民族との和平委員会副委員長を務めたキンゾーウー氏。

米系メディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、民主派の挙国一致政府(NUG)の報道担当者、スーチー氏の弁護団に近い関係者はそれぞれ、この面会について認識していないと述べた。国民民主連盟(NLD)の関係者は、国軍関係者が面会したとの話は聞いたが、確認は取れていないと話した。

スーチー氏を巡っては、先にNLD幹部のサンダーミン氏とトールウィン氏が収監中のスーチー氏を訪問し、政党登録など国軍が計画している総選挙の実施を支持するよう求めた。NLDは今年3月、両氏を含む4人を党から除名した。

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