益子町が渋谷に未来共創拠点設置 観光PRや関係人口創出目指す 来月から

委嘱状を受け取った陳内さん(左)と山口さん(右)

 【益子】町は15日、町未来共創拠点施設として7月1日から、東京都の渋谷駅に直結したビルに入る「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」を活用すると発表した。イベント開催などを通じて観光PRや関係人口の創出、産業振興などにつなげる狙い。同施設を利用する自治体は県内初。また町のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けて外部人材2人を登用することも併せて発表した。

 町は本年度、DX推進本部を立ち上げて広田茂十郎(ひろたもじゅうろう)町長が最高デジタル責任者(CDO)に就任し、庁内のDX推進に取り組んでいる。

 町はDXを進めるに当たり、デジタルよりも変革を意味するトランスフォーメーションを重要視している。新技術の導入を目的とするのではなく、手続きや組織の見直しによって住民の利便性向上と職員の負担軽減を図る。

 渋谷キューズは大学や企業、自治体などの多様な人々が交流する会員制の共創施設で、コワーキングスペースなどがあり会員には有名企業も名を連ねる。同施設の活用は町が重視する変革の一環で、情報交換や交流の場とする考えだ。

 今後は定期的にイベントなどを開催し、インバウンドを含めた観光、産業振興、関係人口・移住の促進、職員の意識改革などにつなげる。担当職員1人を任命し、施設に関わる大学や企業、個人と庁内各課などとの調整役を担う。

 外部人材は、さまざまな自治体のDX推進に取り組む山口勉(やまぐちつとむ)氏(50)を町CDO補佐官、県デジタル戦略フェローの陳内裕樹(じんないひろき)氏(54)を町未来共創フェローに委嘱した。

 広田町長は「人材や情報などが集まる渋谷に施設を置くことで観光や関係人口、産業振興などを発する拠点とする。持続可能な益子町であり続けるためにDXを推し進めていきたい」と述べた。

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