ブロック塀倒壊、木塀へ転換機運 大阪北部地震5年、耐久性懸念

ブロック塀が倒壊した大阪府高槻市立寿栄小に設置されているフェンス=5月

 2018年6月に最大震度6弱を観測した大阪府北部地震から18日で5年。倒壊したブロック塀の下敷きになった2人が亡くなったのをきっかけに、軽量で倒壊時のリスクが低い木塀に建て替える機運が高まった。ただ耐久性でブロック塀に劣る他、コストも高く、全国的な設置には至っていない。専門家は長所と短所を踏まえ、現場の状況に合わせた検討が必要だと指摘する。

 地震は6月18日朝に発生し、大阪府高槻市立寿栄小のプール脇のブロック塀が約40メートルにわたり道路側に倒壊。登校中だった4年生の女児=当時(9)=が巻き込まれ死亡した。大阪市でも塀が倒壊して男性=当時(80)=が亡くなり、老朽化したブロック塀の危険性が各地で表面化した。

 18年7月の全国知事会で東京都の小池百合子知事が、代替策として木塀の設置を提言。国産木材の利用促進にもつながるとして、都は22年度末までに都営住宅や都立高校など計52カ所で建て替えたり新設したりした。

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