「エンタメへの気持ちは変わらず」高橋大輔が2度の引退を語る

2023年5月に「右膝が限界」と2度目の現役引退した高橋大輔が、7月に出演するアイススケートショー『THE ICE 2023』の取材会に出席。公演への意気込み、そして引退後の構想について語った。

アイスショー『THE ICE 2023』に出演する高橋大輔(6月14日・大阪市内)

■ 「エンタメに関わっていきたい思いから現役復帰」

高橋の最初の現役引退は2014年。「そのときは目標もなく、ただただフェイドアウトして。2018年、好きなエンタメに関わっていきたいと現役復帰しました。今回はフィジカル面の問題から引退することになりましたが、エンタメへの気持ちは変わらずあって、次のステージへという気持ちでした」と改めて振りかえる。

アイスショー『THE ICE 2023』に出演する高橋大輔(6月14日・大阪市内)

今後はアイスショーを中心に、「かなだいペア」でのアイスダンスのほか、ソロでもリンクに立ちたいという。「シングルではジャンプもやっていきたい。ドクターには『ジャンプか~』と頭を抱えられましたが、負担にならない程度に使っていきたいなと。あとは、パートナーとは別にいろんな人とペアを組んでみたいです」と、前向きな姿勢を見せる高橋。

■ 「40歳まではインプットする時期」

2023年3月で37歳になった。「40歳まではインプットする時期だと思っていて。この年齢まではスケートに限らず、やりたいことに全力で挑戦していきたい」と意気込み、そのひとつとしてプロスケーターのセカンドキャリアについても言及。

「どうやったら長くスケーターとしていられるか、引退後の新しい環境も作っていきたい。今はタイトルを獲っていないとショーなどに呼ばれない状況ですが、『魅せる』というエンターテイメントに特化した場があれば、競技者もそこを目指して頑張っていけると思うので。たとえばKカンパニーさん(熊川哲也率いるバレエカンパニー)のような、スケーターとして生活ができるくらいの団体ができれば。支援してくれる人を見つけたい」と、高橋は意欲的に語る。

『THE ICE2023』は、7月29・30日に「丸善インテックアリーナ大阪」(大阪市港区)で開催。宇野昌磨やネイサン・チェン、坂本香織ら世界のトップスケーターが出演し、オリジナル企画やコラボレーションなど、唯一無二のアイスショーを繰り広げる。高橋は村元哉中とのアイスダンスのほか、ケヴィン・エモズとユニットを組み、スケート靴を脱いだ「陸」でのダンスも披露する予定。

取材・文・写真/岩本

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